世界で8番目、日本では初となるレゴブロックのテーマパーク「レゴランド ジャパン」の着工式が15日、建設予定地の名古屋市金城ふ頭で行われた。2017年の開業を目指す。

 屋内型の体験施設「レゴランド・ディスカバリー・センター」はすでに東京にあり、今月23日には大阪でもオープンする。だが、屋外型でテーマパークと呼べるのはこのレゴランドだけだ。

 それにしてもなぜ名古屋なのか。レゴランドを運営するマーリン社のニック・バーニーCEO(最高経営責任者)は「東京と大阪の間という立地の良さ、素晴らしい交通網、製造業が盛ん」という3点を挙げ、さらに「市長をはじめ、名古屋市の情熱がすごかった。最初のミーティングでほぼ決めた」と説明した。

 世界的テーマパークの誘致は河村たかし名古屋市長の悲願だ。「大都市は魅力的、おもしろくにゃーとあかん」が持論だが、名古屋には千葉・浦安市の東京ディズニーリゾート(TDR)、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のような世界的テーマパークがない。

 2027年にはリニア新幹線が開通する予定だが、これにも「グレートチャンスではあるが、このままだと世界一の乗り換え駅になってまう。東海道新幹線は1日で40万人以上が使うのに…。名古屋で降りてもらわにゃーと」と逆に危機感を感じている。

 レゴランド側も“先発組”との差別化を図る。ターゲットは2歳から12歳までの子供とその家族。40を超える乗り物に数々のショー、レストラン、ショップを展開する予定だが、基本はレゴを通じて子供たちが“楽しく学ぶ”ことだ。そのひとつとして子供たちが「ドライビング・ライセンス」を取得するアトラクションを予定しているという。

 また、レゴランドはその国独自の象徴的な建造物やランドマークをレゴで制作する「ミニランド」がウリのひとつだが、今回はレゴ22万5000個を使用した高さ2・1メートルの名古屋城の制作が決まっている。

 河村市長もレゴランド成功のために、独自案を披露した。現在、名古屋市科学館の野外に展示されている、市所有のB6型蒸気機関車(1904年製造)を、金城ふ頭までの公共交通機関である「あおなみ線」で走らせるというのだ。

「あおなみ線の名古屋駅ホームは新幹線のホームと並んどるで、(みんなが注目して)降りてくれるで」。果たして河村市長の願い通り、レゴランドが名古屋の国際化起爆剤となってくれるか。