【今が旬〜このレーサーに乗れ〜:後藤隼之(29=東京・109期)】世代や性別を問わずノリに乗っている“旬”なボートレーサーを取り上げる「今が“旬”~このレーサーに乗れ!~」の第1回は後藤隼之(29=東京)の登場だ。艇界初となった3兄妹現役ボートレーサーの次男坊。勝率アップに加え、私生活でも華燭の典を挙げるなど、まさに充実一途だ!

 今、全ボートレーサーの中で、最も幸せオーラを漂わせている男だろう。今年2月1日に美人レーサーの伊藤玲奈と入籍、9月には第1子が誕生する予定だ。子供の話になるとうれしそうな表情で「昔よりも事故をしないように心掛けている。それに最低限の成績を残して家族を養わないといけないという気持ちが強くなりました」と早くも“父”の顔になっていた。

 妻・玲奈は「つわりがひどい時には洗濯や洗い物など家事を積極的に手伝ってくれたりして、すごくイクメンですね。隼之さんは普段から取材とかでも自分の気持ちを人前で言うタイプではない。でも本人は照れもあるようだし、本心は上(記念)で戦いたいと思っているのは伝わってきます」と話してくれた。

 現在B1級に甘んじているが、新期は18日現在で勝率5・91とA級返り咲きペース。新生活を糧に成績も上昇ムードだ。

 兄・翔之とは何かと比較される運命だが「翔之は仕事のことばかりを考えて、いい方向にいっている。でも僕の場合はそれでは良くない。自分は自分。自分なりにやる方が合っている」とあくまでもマイペースを貫く。

 当面は初Vが目標となるが、一度きっかけさえつかめばトントン拍子でブレークしそうだ。「翔之からは『もっと頑張ってくれ。早く一緒に記念レースを走りたい』と言われている。いずれは(妹の)美翼も入れて3人で記念を走れたらいいけど、まだまだそこまでのレベルじゃない。焦ってもいけないので自分がやれることをコツコツとやっていくだけ」と一歩一歩、着実に前進するつもりだ。

 それでもファンはGI・SGでの兄弟対決を楽しみにしている。そしてそれが可能な素材なのも間違いない。いずれは篠崎元志・仁志兄弟のような艇界を代表する“ブラザース”になる日が来るはずだ。

☆ごとう・はやと=1988年3月26日生まれ。東京支部109期生。2011年11月、多摩川一般戦でデビュー。翌12月の平和島で初白星。通算5優出0V。兄・翔之(101期)、妹・美翼(109期)も現役レーサー。東京支部の将来を支える若手の有望株。身長173センチ、血液型=O。