目指せ!「ヤングダービー」U-30の咆哮

【佐藤博亮(28=愛知・113期)】現在、28歳ながら、子宝に恵まれ、すでに4人のパパだ。特に6歳の子供は何と三つ子。選手になったきっかけもここにあった。

 もともとは自動車整備士として働いていたが「金銭的に楽ではなかったので転職を考えていた時に、平本(真之)さんがお客さんとして、いらっしゃったんです」。今の師匠となる平本との出会いがボートレースとの出会いだった。

 その後「ファンとして舟券を買ったり、平本さんのレースを見たりしていたのですが、レーサー募集の案内で自分もなれると分かり(やまと学校を)受けてみようと」。もちろん、一家の大黒柱としては、その間も収入を断つわけにはいかない。あくまで仕事を続けながらの受験で「2回落ちたらやめるつもりだった」が、2回目にして見事に合格を果たした。

 やまと学校時代の勝率は7・29。同期の中で2位と優秀な成績で卒業し、将来を嘱望されたが、当初はFを多発。デビュー期いきなりのF2となり「事故でつまずきました。思い描いた通りではなかったですね。同期や後輩に先を越されたし、悔しい気持ちがあります」と振り返った。

 F休み中は焼き鳥店でアルバイトをしたこともあったが、今期適用勝率は5・86と初のA2級昇格を果たすなど、ここにきて軌道に乗りつつあり「やっと順調にこれた気がします。事故しなければやっていける自信はつきました」とFが少なくなったことが飛躍につながった。

 しかも事故をしなくなっても、前期の平均Sタイミングはコンマ12と全国トップクラス。センスは相当なものがある。だが自身は「Sに頼っている部分があります。道中で抜かれない走りや一つでも上を目指す走りができるようになりたい」と課題を挙げるが、経験を積めば時間が解決してくれるに違いない。

 今年の目標は3つ掲げている。「初A1」「初優勝」、そして「初ヤングダービー出場」がそれだ。

 もっとも現時点でA1、ヤングダービーの勝率ともボーダーを楽にクリアしており、今の勢いなら初優勝も時間の問題だろう。

 しかもそのヤングDは今年、純地元の蒲郡での開催だ。

 4月に29歳となるため、最後のチャンスでもあり、何かの縁を感じるところ。今年はパパのカッコいい姿がたくさん見られそうだ。

☆さとう・ひろあき=1988年4月1日生まれ、愛知支部所属の28歳。2013年11月蒲郡デビューの113期生。同月蒲郡一般戦で初1着(8走目)。優勝経験はないが、優出8回。今年の東海地区トップルーキーに選出されている。同期は椎名豊、浜先真範、中田達也、高田ひかるら。血液型=A。