目指せ!「ヤングダービー」U-30の咆哮

【大豆生田蒼(22=埼玉・111期)】デビューして約2年半後の2015年6月戸田ヴィーナスSで初優出2着。16年前期の適用勝率は5・33とA2級ボーダー(5・35)目前に迫り、地元スター候補に選出された。その際に掲げた「初優勝」「A級昇格」の目標達成は時間の問題と思われた。

 だが以降2度の優出はともに4着。勝率も16年後期が5・22、17年前期が5・00と伸び悩み、A級昇格も果たしていない。

 そんな状況に「目標を達成できないのはレースに行くと判断が甘くなったり、大事なところでいつも通りのレースができないからだと思います。実際にミスも多いですしね。握れる選手を目指しているんですけど、旋回力とかスピードも、まだ上の選手たちと比べると足りないです」と、精神、技術の両面の課題を自覚している。

 一方で、着実に成長している部分もある。「自信を持っているのは“差す”ことと、展開を見極めて、その展開に乗れるところです。また道中での粘りとか、最後まで諦めずに1つでも上の着順を目指すところです。それは誰にも負けたくないです」と胸を張る。

 実際、他の選手からは「マメちゃん(愛称)は本当にしぶとい」といった声が上がるように、レースでの粘り強さは男子選手の間でも認識されている。

 2つの目標は通過点にするつもりだ。

「目標に掲げてから1年半ぐらい達成できていないので、すぐにクリアしたい。優勝はもちろん常に意識していますし、A級には次こそ上がりたい。もういい加減、上がらないとダメだと思っています」と17年後期でのA級“絶対”昇格を宣言。

「将来的にはSGにも出たいですし、クイーンズクライマックスとかレディースチャンピオンにももちろん出たいです。そして、そういう大レースに出続けられるような選手になりたい」という本当の目標を目指すステップに移るためだ。

 ヤングダービー出場も目標のひとつ。

「ヤングダービーは出たいです。出場できるような勝率に上げることがまず第一ですけど、今は22歳なので『あと8年チャンスがある』とか思わず、若いうちに出たいですね。最年少V記録とかにも挑戦したいです」

 前身の新鋭王座決定戦で原田幸哉が記録した24歳3か月に挑めるのは、来年と18年の2回。きっかけさえつかめばブレークは間違いない逸材。早期のヤングダービーデビューが楽しみだ。

☆おおまめうだ・あおい=1994年11月26日生まれ。栃木県出身。埼玉支部111期生として2012年11月戸田でデビューし、13年7月戸田で初勝利。15年の戸田ヴィーナスSで初優出。優勝は未経験。16年から戸田の地元スター候補。17年前期勝率は5.00でB1級。同期は竹井貴史、高倉和士、堀本和也、赤井睦ら。身長153センチ。血液型=A。