目指せ!「ヤングダービー」U-30の咆哮

【仲谷颯仁(21=福岡・115期)】プレミアムGI「ヤングダービー」の対象となる30歳未満のレーサーにスポットを当てる「目指せ!ヤングダービー U―30の咆哮」。2015年の最後はまだデビュー2年目ながら、将来性を感じさせるのがこの男だ!

 9月の下関取材時には「僕、準優に乗れますかね?」と不安と期待に胸を膨らませながら逆取材してきたことがあった。結局、その節は予選突破はならなかったが、ふた月後に徳山で再会した仲谷はワンステージ上に上がったような成長の跡がありありと感じられた。

 すでにその前の節(戸田)に自身初の予選突破を果たしていたが、節間あれよあれよという間にポイントを重ね、予選最終日を待たずしてほぼ予選突破を手中に収めた。

 自身が「今はまくりの決まり手が多いし、握って攻めるレースが多いですね」と言うように、握って攻め込むシーンが多く見られる。

 印象的なレースがあった。1周1M、内側選手がターンM手前で落とし過ぎたのを見るや、すかさず見えない位置から握って強烈なまくりを見舞った。

 いわゆる追っかけツケマイというやつだ。

 スピードがなければできる芸当ではないが、その判断力に大器の片鱗を垣間見た。「握ってばっかりだと師匠に怒られるんですけどね」と苦笑いするが、その師匠・川上剛も認める期待の弟子だろう。

 やまと在校時は115期の最高勝率7・99をマーク。チャンプにはなれなかった(卒業チャンピオンは野中一平)が、同期の中でもトップクラスの素材なのは間違いない。

 ただ本人は同期は意識していないと言う。「関(浩哉)君とか優出して2等を取っているし権藤(俊光)選手もいい成績を残しているけど、そこがゴールではないので」とあくまで上の舞台での活躍をハッキリとしたビジョンとして描いている。

 キッパリと「最優秀新人賞を取る」と言い切る仲谷は「そのためにはA1級に上がって優勝もしなくてはいけないしSの課題もあります」と課題も把握している。

 今の平均STは0・18と決して早くはないが「0・15ぐらいに上がるように、そこは川上さんにも『反面教師にしろ』とは言われています(笑い)。厳しいですけどよく面倒見てもらってます」と師匠の愛のムチに応えるべく、奮闘中である。一つひとつ、今のペースで成長していけば、ヤングダービーへの登場もそう遠くはない。

☆なかたに・はやと=1994年8月20日生まれ。福岡支部。2014年11月若松一般戦でデビュー。15年2月の若松一般戦で初勝利を挙げたが優勝、優出ともにまだない。身長162センチ。同期(115期)は野中一平、関浩哉、権藤俊光、加藤翔馬、佐藤隆太郎ら。血液型=O。