【プロレス大賞授賞式(19日)】殊勲賞に輝いた新日本プロレスの石井智宏(39)は、さらなる粉骨砕身ファイトに向け「NGワード」を設定した。

「1年間のプロレス界の評価。素直に喜んでいる。中邑真輔、オカダ・カズチカとは去年よく3人で組んでたし、この3人が壇上にいたことは誇りに思える」。初の授賞式を終えた石井は相好を崩した。

 2015年も命を削る独特の試合スタイルは変わらない。「『石井はすげえんだな』っていうのを地方でも6メンでも8メンでもすべての試合で残す。それは長州(力)さんと出会ってから言われてきてるから」。師匠の教えをかたくななまでに守るのは会場に足を運ぶファンのためだが、一方で我慢できないことがあるという。

「よく『体大丈夫?』とか『休んでくれ』とか言われるけど、大きなお世話だ。ほっといてくれ。俺の体は俺が一番知っている。無理な時は自分で休む」。石井の身を粉にするファイトぶりはプロレス界に広く知れ渡った。そのためファンや関係者、報道陣までも「体調は?」と気遣うが、石井にとってはいらぬ心配というわけだ。

 もともと石井の抱くプロレスラー像は多少のケガではビクともしない人間離れした屈強な肉体の持ち主。時代の流れで「ちょっとプロレスがヤワに思われてる気持ちもある」と周囲の見方が変わったことに武骨な男は激しく抵抗する。

 最も評価してくれた内館牧子特別選考委員(66)とは対面が持ち越しになった。石井は「いつかお会いできる日を楽しみにしています」とモチベーションに変え、今年も魂の全力ファイトに励む。