東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)は21日、東京五輪・パラリンピックで開会式の楽曲制作を担当していたミュージシャンの小山田圭吾(52)が学生時代のいじめ告白問題により辞任した件を受け、自身の見解を公表した。

 橋本会長は「開会式の企画制作に関しては、コロナ禍で規模を縮小しなければならなくなったこと、過去にも類似する事例が発生し、それが制作チームに影響を与えたことなど、さまざまな課題がありました」と苦しい現状を明かした上で「組織委員会は、オリンピック・パラリンピックにとって、本当に大切なことは何なのかを見失ってはならないと考えます」と説明した。

 続けて、五輪の理念について言及。「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。この文章には、組織委員会が見失ってはならないことが示されています」と自らに言い聞かせた。

 そして、最後には「組織委員会の責任は、極めて大きいと認識しております。また何よりも、今回の件で、多くの方々の尊厳を傷つけ、失望させたことに対し、重い責任を感じております」と反省しながらも「組織委員会は、未来の社会のために、このミッションを単なる言葉で終わらせてはいけない、それはいま、この世界で大会を開催することの大きな意味であると考えています。今回のことを反省という言葉だけでは片付けてはいけない、人権や人間の尊厳を踏みにじるオリンピック・パラリンピックなど存在しない、してはいけないのだということを組織委員会として再確認し、開会式を迎えたいと思います」などと意義を強調した。