“楽器業界版はれのひ事件”店主逮捕でギター取り返せるか

2018年02月15日 16時30分

“楽器業界版はれのひ事件”の主犯が14日、御用となった。

 業務上横領の疑いで逮捕されたのは、東京・杉並区高円寺でギターショップ「バディサウンドワークス」を経営していた山本誠容疑者(46)。警視庁によると、同容疑者は修理で預かった客のベース(時価100万円相当)を勝手に質店に入れ、現金25万円を横領した疑いが持たれている。

「バディ――」では1本100万円以上のビンテージギターなど、客が預けた楽器が返却されないトラブルが相次ぎ、警視庁には約20件の相談が寄せられていた。

 調べに山本容疑者は「店の運転資金が足りなかった」と容疑を認めた上で「50本以上質屋に入れた」「700万~800万円くらいになった」と供述している。だが、この説明には疑問も残る。

 山本容疑者は昨年9月の段階で店をたたみ“夜逃げ”。その時点で店の経営は諦めたはずで、逮捕までの5か月間は換金で得た現金を生活費や遊興費に充てていたとみられる。

「自宅のガサ入れでは、20本近いギターが押収されている。事件化されなければ、勝手に売却してまだまだ食いつなごうとしていたのだろう」とは捜査関係者。

 山本容疑者を知るミュージシャンは「2年ほど前から心筋梗塞になったり、交通事故を起こしたりして金に困っていたようです。容疑者の(修理の)腕前は確かに素晴らしかったので、有名ミュージシャンやその周辺のアマチュアミュージシャンが仲間を顧客として紹介し、連鎖的に被害が出たのでしょう」と指摘する。

“借りパク”された楽器は戻ってくるのか?

 前出の捜査関係者によれば「被害者が盗難届を出していれば、照合した質店が売買を停止するが、届け出をしていなければ、すでに第三者の手に渡ってしまった可能性がある。そうなった場合、購入者の善意に期待するしかない」という。