ZIGGY森重樹一が語るジュリー&ショーケン愛

2018年02月08日 11時00分

ダイアモンドユカイ(左)と森重樹一

【ダイヤモンド・ユカイの昭和ロックを語る時が来た!】昭和の日本歌謡界におけるロックスター的なアイコンとは――。「レッド・ウォーリアーズ」のボーカル、ダイアモンド・ユカイ(55)と「ZIGGY」森重樹一(54)による対談は第4回。音楽界の歴史にも詳しい2人があこがれのスターについて熱く語る。森重のジュリー愛が爆発!

 F記者 お二人がユカイさんの家で話し込んだことがあったとか。

 ユカイ ちょうどレッズを解散した後だね。本来、ボーカリスト同士って仲良くなれないのよ。みんな「俺が一番!」と思ってるから。でも森重のことは前から知っていたし、国内の歌謡曲やロック、海外のロック、ポップス…とよく知ってたからさ。これから俺がソロとして戦っていく上で、どんな音楽を参考にするかとか、そんな話をしたよね。酔ってて覚えてない部分もあるけど(笑い)。

 森重 話したねぇ。覚えてるのはジュリーとショーケンの話。俺とユカイくんの世代で、ロックスター的なアイコンを日本の歌謡界で探すなら誰だろうって。突き詰めていくと、そこにジュリーとショーケンがいた。そんな呼び方すると怒られちゃうな。沢田研二さんと萩原健一さん。

 F記者 以下、文章中は親しみやすい愛称のほうで表記します。

 森重 2人の大先輩は、60年代後半~80年代という時代に、強固な歌謡曲のシステムの中で、ビートルズやローリング・ストーンズ的なことをやっていた。俺はあのころ、90年代のジュリーやショーケンになりたいと思ってたよ。

 ユカイ 2人とも歌謡界に一石を投じるようなことやってたね。一石どころか三石ぐらい投じた。

 森重 テレビ局に抗議が来るようなこととかね。「カサブランカ・ダンディ」を歌いながらウイスキーを口から吹いたりさ。かっこいいよね。帽子を斜めにかぶったり、マネしたよ。小学生の時から大好きだった。ああいう人になりたいと思わせてくれる人だったよ。

 F記者 ジュリーは、男が化粧するなんてあり得ない70年代後半に化粧して過激な衣装をまとい、ビジュアル面でも独走していました。ウイスキーを口から吹いたのは抗議の対象になりました。

 ユカイ ジュリーとショーケンのことはかなり話したね。ショーケンは演技面でひとつのスタイルを確立した。あの独特の演技の中にロックが見えるんだよね。もともとバンドやってた人で、映画やドラマをやってまた音楽を始めるんだけど、あのうまいとか下手とかじゃない独特の歌い方もグッとくるんだよね。

 森重 くるねぇ。

 F記者 ボーカリストとしてジュリーの魅力をどう見ますか?

 森重 歌い手としての声の深み、目の力、あと色気だね。

 ユカイ 色気だな。

 森重 圧倒的にセクシーだもの。その後、アイドルの御三家(新御三家とも呼ばれた郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎)が出てきて、そりゃひと世代前のジュリーより若くて美しかったけど、ジュリーは年を重ねてセクシーさと華麗さを得ていた。

 ユカイ 退廃的な雰囲気があって、かっこ良かったよな。

 森重 所作もかっこいいし、決定的に違ったよ。

 F記者 ロック界でバリバリやってきたお二人が、歌謡界のスターをそこまで熱く語るとは意外でした。

 ユカイ ジュリーは突出した人だよ。

 森重 歌謡界に負のイメージを持つのは、“商業主義”への嫌悪からだと思うけど、あの世界は深いよ。不良の世界だよ。その歌謡曲の世界で、ジュリーやショーケンは自分のスタンスを貫いた上で、一般の人を説得した。あの時、2人がどれだけの覚悟でやっていたかを考えると、頭が下がるよ。

 F記者 その視点はなかったです。

 森重 要は伝えるためにどうするかなんだ。歌謡界のシステムに逆らうのは簡単だよ。出て行きゃいいんだから。誰も相手にしない場所で「俺はロッカーだ」ってやってるやつはごまんといた。でもそうじゃなく、自分の作品をどれだけの人に聴いてもらうかで勝負しなきゃいけない。あの時は歌謡界のシステムの中にいないと伝わらなかった。その中で2人はロックな姿勢を貫いて結果を出し、愛された。

 F記者 当時は簡単ではなかったでしょうね。

 森重 今の若いのがロックだなんだとほざいてても響かないよ。あのころのジュリーたちとは懸けてるものが違うもの。命を懸けてやってたんだから。だから子供心に感動したんだよ。

(次回は新御三家について2人が熱く語る!)

☆もりしげ・じゅいち=1963年8月28日生まれ。東京都出身。84年にZIGGYを結成。88年にリリースした「GLORIA」が大ヒット。昨年、メジャーデビュー30周年を迎えた。今春、ツアー「TEENAGE LUST」を行う。

☆ダイアモンド・ユカイ=1962年3月12日生まれ。東京都出身。86年にレッド・ウォーリアーズでデビュー。89年に解散後、数度再結成。ソロとしてのカバーアルバム「Respect III」、著書「タネナシ。」「育爺。」が発売中。2015年に織田哲郎と結成したバンド「ROLL―B DINOSAUR」のセカンドアルバム「SUE」が発売中。