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いまや映画はワーキング・プアならぬ“メーキング・プア”?

エンタメ2010年03月10日 13:51 | フォルダ : 映画

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 アカデミー作品・監督賞「ハート・ロッカー」(キャスリン・ビグロー監督=58)の“低予算”がぜいたくに見えるほど映画の格差問題は深刻であると思い知らされた。
 バンクーバー五輪の男子フィギュアSPで盛り上がっていた2月17日、都内でロケーションと地域のかかわりを考えるシンポジウムがひっそりと開催された。
 出席者は「20世紀少年」「クローズド・ノート」などを手がけたプロデューサー甘木モリオ氏、東放学園理事・学校本部長の月野木隆行氏、シンポジウム主催者の東京都の担当者。
 ここで興味深い数字が示された。データは日本映画製作者連盟が発表したものだが、こんな読み取り方もあったのかと思った。
 2009年の映画館入場者は1億6929万7000人で、前年より900万人弱増えた。興行収入は111億9900万円増の2060億3500万円。いずれも前年比約106%の微増となっている。
 ところが、スクリーン数は37減って3396。公開本数も806本から762本に。邦画が418本から448本へと増えたのに対し、洋画は388本から314本に激減してしまった。
 甘木氏によると、2000億円という興行収入は「焼きそばにつく紅しょうがと同じ市場」規模。これを昨年の場合は762本で奪い合ったというか、企業努力などで拡大したことになる。
 その内訳は邦画が1173億900万円(56.9%)と5割を超え、洋画は887億2600万円(43.1%)。
 さらに数字を見ていくと格差が浮かび上がってくる。興収10億円以上のいわば“勝ち組”が34本。その合計額は邦画全体の約7割を占める。つまり残りの3割程度の小さなパイを414本の映画で分け合う構図。この414本の興収は1本あたり7600万円にしかならないというのだ。
 7600万円がどう分配されるかという流れを甘木氏が説明した。
 まず、映画館の取り分。比率は配給会社との個々の取り決めによって異なるが、だいたい40~50%。5割とすれば3800万円が引かれる。次が配給手数料。これも制作側と配給会社との契約によって変わるもので、30~35%といったところ。映画館に払った残りの3800万円から3割を支払えば、制作会社(制作委員会)に入るのは2660万円になってしまう。これもすべてを制作経費にあてるわけにはいかない。宣伝費用やプリント代もかかる。結局「ほとんど儲けは残らないと考えていい」と甘木氏は語った。
 ではどうして映画が成り立っているのかというと、テレビ放映やDVD化など2次使用に伴う権利金が入ってくるから。これで「ようやくトントンにもっていっていた」(甘木氏)のが、最近はDVDが売れなくなってきたという。もともと「当たっている映画はかなりの収入をあげているけれど、単館映画のジャンルは厳しい」ところに、DVDの販売不振で「単館映画は収益の柱がなくなってきている」のだ。
 これでは、アート系など作家性の強いものや非メジャー監督の作品はますます劇場にかかりにくくなる。ヘタをすれば、作れば作るほど赤字が膨らむ“メーキング・プア”になりかねない。
 ハート・ロッカーはかかった費用が1100万ドル(約9億9000万円)と言われ、アカデミー賞では2億ドル(約180億円)の「アバター」に「低予算作」が勝ったと注目された。それでも10億円である。日本映画“その他大勢”の「7600万円」と比べれば破格である。
 昨年は単館作品などを手がける「ワイズポリシー」や、アカデミー賞受賞作「ミリオンダラー・ベイビー」などメジャー系も日本で公開した「ムービーアイ」の両配給会社が経営破綻。厳しいのは洋画も同じ。今年は「フラガール」「パッチギ!」の制作やその他韓国映画などの配給を行ってきた「シネカノン」も破綻した。
 鳩山由紀夫首相が母親から受けていた政治資金は5年間で計9億円。低予算映画10本は作れそうだが…。
 
 
 
 
 
 
 
 

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