大相撲の横綱審議委員会の定例会合が29日、東京・両国国技館で開かれ、北村正任委員長(76=毎日新聞社名誉顧問)は初場所で5場所連続休場となった横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)について「(初場所前に)横綱として15日間務められる自信がなかったら出てこないほうがいいと申し上げた。同じことが繰り返されたのは残念。本人に判断の甘さ? そう思います」と失望感を口にした。

 横審としては、当面は次の春場所(3月11日初日、大阪府立体育会館)以降の出場の判断を稀勢の里本人に任せ、あくまでも万全の体調に戻すことを求めていく構え。とはいえ、北村委員長は「また同じことが繰り返されるようであれば、横審としてもどう判断するかを考えなければいけないという意見もあった」とも話しており、再び途中休場するようであれば横審の内規に基づき「激励」などを行う可能性もある。

 一見すると“寛大な措置”にも思えるが、穏健派が多い現在の横審内でも途中休場を繰り返す現状は好ましくないと見られていることは確か。次も15日間を全うできなければ、さらに踏み込んだ意見が出ることもあり得る。いずれにせよ、角界一の人気を誇る和製横綱に対する「猶予期間」は確実に終わりに近づいている。

 すでに稀勢の里自身は「次は覚悟を決めてと思っている」と話しており、次に出場する場所で進退を懸ける構えを見せているが…。ここから復活することができるのか。