横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が4日、茨城・鹿島神宮で奉納土俵入りを行った。地元の茨城で横綱土俵入りを披露するのは今回が初めて。一昨年の横綱白鵬(32=宮城野)を1万人上回る約2万5000人の観客が詰め掛けた。

 稀勢の里にとって、鹿島神宮は思い出の場所。武道の神がまつられていることから、入門を控えた中学3年の正月に初詣に訪れた。稀勢の里は「こういう形で帰ってこられて光栄。こんなにうれしいことはない。(前回に訪れたのは)相撲界に入る前。相撲で成功できるように勝ち守り(お守り)を買った」と感慨深げ。「また茨城で土俵入りができるように、相撲のほうも頑張っていきたい」と気持ちを新たにした様子だった。先の夏場所は左上腕と左胸のケガで無念の途中休場となった。現在の患部の状態について「日に日に良くなっている」とした上で「またいい状態で土俵に立てるように、しっかり体を休めたり鍛えたりしたい」と復活へ意欲を見せた。

 この日の午前には東京・江東区で行われた山響部屋の部屋開きでも土俵入り。初めて一日で2度の土俵入りをこなした和製横綱は「また呼んでいただけるように、しっかりとやっていきたい」と話した。