元横綱千代の富士の故秋元貢氏(享年61)の通夜が6日、東京・墨田区の九重部屋でしめやかに営まれた。

 日本相撲協会の八角理事長(53=元横綱北勝海)や横綱鶴竜(30=井筒)のほか、元プロレスラーのアントニオ猪木参議院議員(73)、フォークシンガーの松山千春(60)らが参列。弔問客は、秋元氏が慣れ親しんだ稽古場の土俵の上に設けられた遺影と祭壇に手を合わせた。

 猪木氏は「具合が悪いと聞いたのは最近だった。こんなに早く逝くとは」と鎮痛な面持ち。

 同じ北海道出身で同世代の松山は「“見舞いに行こうか”と言ったら『そんなに長い入院生活にならない』と…。それで逝ってしまった。『もう一度、棺の中から立ち上がってこい!』と言った」と故人との突然の別れを惜しんだ。

 先代師匠の秋元氏から部屋を引き継いだ九重親方(40=元大関千代大海)は「本当に、師匠とお別れという気持ちになってしまった。天から見守っていただきたいと声をかけました。寂しい。悲しいし、悔しい。もっといろいろ話したかった」と無念の表情を浮かべた。

 戒名は「千久院殿金剛貢力優梢禅大居士(せんきゅういんでんこんごうこうりきゆうしょうぜんだいこじ)」。家族全員の名が戒名に込められた。7日には同所で告別式が行われる。