大相撲の横綱審議委員会が23日、都内で開かれた。守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)は20日に急死した北の湖理事長(享年62=元横綱)について「突然の訃報だったので、大変驚きました。相撲界発展のために全身全霊で職務にあたられた方」と悼んだ。

 一方、本題の九州場所の総括では、横綱白鵬(30=宮城野)が10日目の取組で見せた奇襲の「猫だまし」と、終盤戦の3連敗に各委員から批判的な意見が相次いだという。守屋委員長は「(猫だましは)大多数の人は『横綱としてふさわしくない』という話だった」。さらに「続けて負けた3番は力が入っていないと感じた。何が理由でそうなったのか」と不満を口にした。

 岡本昭委員(岡安商事最高顧問)も「両手で“パン”(猫だまし)はないやろ。全勝優勝でもすれば『余裕を見せた』という見方をする人もいるかもしれないが、最後に3連敗している。相手をバカにしてやったとしか見られない」とバッサリ。「横綱が3連敗なんか見せたら、絶対にアカン。相手は横綱、大関? あれだけの大横綱に相手は関係ない。3つも続けて負けたら気力が尽きたと見られてしまう」と切り捨てた。

 これまで白鵬の変化やダメ押しなどの問題行動が大目に見られてきた。それは「優勝」という有無を言わさない結果を残して批判を封じ込めてきたからだ。奇襲の猫だましを繰り出した揚げ句に、逆転でV逸…。最強横綱への風当たりが厳しくなるのも、当然か。