大相撲名古屋場所(12日初日、愛知県体育館)が1998年以来17年ぶりに「15日間満員御礼」となることが確実となった。日本相撲協会理事で名古屋場所担当部長の千賀ノ浦親方(64=元関脇舛田山)は、前売り券の売れ行きが好調なことを受けて「15日間の大入りは間違いない」と明言した。

 これまで東京や大阪開催に比べて名古屋は観客動員で苦戦し、八百長問題が発覚した2011年には大入りが1回に落ち込んだこともある。奇跡的なV字回復に「名古屋は条件に恵まれているわけではない。一番暑い時期で、会場の周辺に食事ができるところも少ない。(今場所の好調な売れ行きは)新大関(照ノ富士)が誕生したこともあるし、全体的に相撲内容が良くなったというのもある。女性や外国人のファンも多くなった。全部が影響していると思う。我々もホッとしている」と安堵の表情を浮かべた。

 そのうえで、同親方は場所を盛り上げる“キーマン”に幕内遠藤(24=追手風)を指名。「新大関もいるけど、やっぱり遠藤に期待したい。今場所は(本来の実力と比べて)番付が下のほうだから、大勝ちもあるんじゃないか。中日までに全勝か、1敗くらいできてくれれば。終わってみたら10勝じゃなくて、前半からいってほしい」と人気者の快進撃を熱望した。

 昨年初場所は西前頭10枚目で11勝、九州場所は西前頭8枚目で10勝。これまで幕内下位では“格の違い”を見せている。今場所は東前頭12枚目で白星量産の条件は整っているが…。果たして、どうなるか。