堂々のデビューだ。大相撲夏場所3日目(10日、東京・両国国技館)、東大から初めて力士になった須山(24=木瀬)が前相撲に登場。山田海(16=出羽海)を右四つから一気に寄り倒して完勝した。

 取組後は開口一番「終わったなと」と率直な感想を口にした。注目を集めながらも「いつもと同じ気持ちでいった。しっかり前に出ようと思いました」と振り返るように、大きなプレッシャーは感じていなかった。

 東大入学後に相撲を始め、現在は文学部哲学科4年生。来年春の卒業を目指し、授業を受けながら稽古に励んでいる。大学には浴衣姿で通い「食堂は関係者以外入れないんですけど『関係者の方ですか?』と聞かれて『そうです』と答えました」と明かし、笑いを誘った。

 角界に挑戦することが報じられてから大きな話題となった。その反響は本人も感じていたようで「新弟子検査を合格したときにLINEニュースの上のほうに載っていたことですかね」と話す。それでも「あまり関係なく一日一日頑張っていこうと思います」と気を引き締めた。

 また、相撲部での練習は週3回だったが、入門後は毎日汗を流す日々。新生活が始まって約1か月が経過し、新弟子検査で104キロだった体重は「食べた後は110キロぐらいまでいきます」と早くも成長を実感している。目標の130キロまで体を大きくするつもりだ。

 過去に国立大出身の力士は三段目の庄司(武蔵川)を含めて4人。異色の経歴を持つ24歳が番付社会を駆け上がる。