大相撲夏場所6日目(15日、東京・両国国技館)、小結逸ノ城(22=湊)が関脇妙義龍(28=境川)に一方的に寄り切られて3連敗(2勝4敗)。取組後は「右が入ったんですけど…。足が出なかった」と肩を落とした。初日に横綱白鵬(30=宮城野)を初撃破。昨年秋場所の「怪物旋風」の再来を予感させたが、まさかの急失速だ。

 北の湖理事長(62=元横綱)は「体が大きすぎる。キレがない」と指摘。場所前の測定では体重207キロ。自らベスト体重とする185キロから20キロ以上もオーバーすれば、動きが鈍くなるのも当然か。3日目からは左肩にテーピングを巻くなど、体調も万全ではない。ただ、師匠の湊親方(46=元幕内湊富士)は体のキレや肩の状態以上に、今場所で特に目立つ淡泊な相撲ぶりを問題視。この日の朝に逸ノ城に「相撲に覇気がない。“やってやろう”という気持ちが見えない。照ノ富士(23=伊勢ヶ浜)は気迫がみなぎっているだろう!」とカミナリを落としたという。

 闘志をムキ出しにするタイプではないにせよ、負けた相撲は後ろに下がって簡単に土俵を割る姿ばかり。余計に気合が足りないと映るのだろう。親方は「(左肩を痛めても)気持ちでいかないと。闘志を内に秘めて相撲を取ってほしい」と奮起を促したが…。怪物の闘争本能は目覚めるのか。