大相撲初場所で3度目の優勝を遂げ、長野県出身力士としては江戸時代の雷電為右衛門以来227年ぶりの大関誕生となった御嶽海の活躍で、2人の「大鷲」への関心も高まっている。

 雷電との絡みのほか、長野出身として「〇〇年ぶり」がついて回る大関御嶽海。2016年の新小結と17年の新関脇の昇進は、いずれも「高登以来84年ぶり」と話題に。15年の新十両と新入幕は「大鷲以来」の快挙で、それぞれ「47年ぶり」「43年ぶり」だった。

 その大鷲は長野県佐久市出身で昭和40、50年代にあたる1968~78年にかけて関取として土俵を務めた。若松部屋所属で最高位は前頭3枚目。190センチ、112キロの典型的ソップ体形で、右上手を取ると投げや吊りが強く、74年九州場所では初優勝した小結魁傑(後の大関、放駒理事長)を14日目に破る大殊勲の星を挙げている。幕内力士からプロレスラーに転じた天龍とは十両・幕内でほぼ五分の戦いを繰り広げた。

 大鷲についてはNHK解説者の元小結舞の海氏が場所中の放送で言及。ツイッターでは「大鷲さんの名が」「大鷲引退から37年間関取不在県でした」などと新大関の郷土の先輩力士を思い出す投稿が見られた。御嶽海は木曽郡上松町出身。

 佐久で「相撲料理・ちゃんこ鍋 大鷲」を営む元大鷲。店ホームページのブログには、御嶽海の優勝と大関昇進を喜びつつ「テレビ局が主人に取材に来た時私もインタビューされました」と力士・大鷲の存在も注目されたことをおかみさんがつづっている。

 大鷲の息子はプロレスラーとして活躍する大鷲透。力士として若松部屋から93年に初土俵を踏み、99年に引退すると戦いの場をリングに移した。レスラー・大鷲もツイッターで「御嶽海関 優勝&大関昇進おめでとうございます」と「クニモン」を祝福した。