大相撲の元横綱白鵬の間垣親方(36)が1日、東京・両国国技館で引退会見を行った。

 古傷の右ヒザが限界を迎え、7月の名古屋場所で引退を決断。会見に同席した師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「稽古が終わった後に足を冷やしたり、そういうのがずっと続いていた。寝ている以外は機械を着けて足を冷やしたり。その姿は今回初めてだったもので、これ以上は相撲を取らせることはできないなと思いました」と明かした。

 また、宮城野親方は弟子が「3、4年前に足をケガして、前に出る相撲がなかなか取れなくなってきた」とした上で「本人は『頑張ってやります』と言ってとっていたが、治療がだんだん増えて、今回は無理だなという状態まで我慢していたような気がする」。トレーナーらが大人2人がかりマッサージする光景も珍しくなく「そこまで悪いのかとビックリした」と振り返った。

 入門当初は細身だった間垣親方だが、師匠は「(稽古を)やれと言ったことは1回もない。あまりにもやるから止めたことは何回もあった」ときっぱり。

 さらに「準備運動とかそういうものに対しては一番。力士30数年間やってきたけど、こういう若い衆は初めて見た。稽古に対しては本当に真面目な子で努力もしたし、やはり自分が偉くなろうと思ったときには人の2倍、3倍、番付が上だろうが関係なくしっかりやってきたと思います」と付け加えた。

 特に間垣親方が横綱に昇進したころは「大関稀勢の里関(現荒磯親方)や(元横綱)日馬富士関をつかまえてよく稽古をやっている姿を見ましたけど、2人で日馬富士と1時間ぐらいぶっ通しでやったことも覚えている。それだけよく稽古をやったなと」(宮城野親方)。

 今後は指導者となる同親方に対し、師匠は「若い衆の見本になってもらいたい。また、その中で自分と似たような素晴らしい力士をつくってもらえたら。協会のためにも頑張ってほしい」と語った。