日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会が27日、東京・両国国技館で定例会合を開いた。矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は、現役引退の意向を固めた横綱白鵬(36=宮城野)について言及した。

 同委員長は「今日、白鵬が引退するという届けが(宮城野)親方を通じてあったと八角理事長から聞いた。横綱在任中の実績というのは45回の優勝をはじめ、歴史に残るものがあった。半面、相撲の取り口、審判に対する態度、土俵外での振る舞いなど目に余ることも多く、横審はそれらを指摘し、反省を求めてきた。今後は弟子の育成にあたると思うが、こうした点は十分反省して相撲道の良き伝統を伝えてほしい」と述べた。

 横審は昨年5場所のうち4場所で休場した白鵬に対して「引退勧告」の次に重い「注意」を史上初めて決議。7月の名古屋場所で45回目の優勝を達成したことで注意を解除する一方、土俵で見せたヒジ打ちやガッツポーズなどの行為に「見苦しい」「どう見ても美しくない」「大相撲が廃れていく」などと苦言。今後に問題行動を起こした場合は再び決議を下すことを示唆していた。