大相撲初場所3日目(13日、東京・両国国技館)、幕内照ノ富士(23=伊勢ヶ浜)が稀勢の里(28=田子ノ浦)を一気に押し出し、2日連続で大関を撃破。4日目の横綱白鵬(29=宮城野)との対戦に向け「金星を挙げたい」と意気込んだ。

 関脇逸ノ城(21=湊)とともにモンゴルから来日し、鳥取城北高では同部屋で寮生活を送った。身長191センチ、体重180キロの体格に加え、師匠の伊勢ヶ浜親方(54=元横綱旭富士)をして「直すところがいっぱいある。それでも(上位で)通用してるんだからビックリ」と言わしめる大器。新三役こそ逸ノ城に先を越されたが、部屋の新年会では「大関を取る」と目標をブチ上げた。

 こうした新世代のモンゴル力士の勢いが角界内に波紋を広げている。日本相撲協会内には「あと何年かしたら横綱と大関が全員、モンゴル人になってしまうかもしれない」(関係者)と真顔で話す関係者もいるほど。

 日本人のホープといえば、幕内遠藤(24=追手風)が期待を集めているものの、上位では苦戦が続く。

 現実的に「次の大関候補」は逸ノ城や照ノ富士となる。横綱大関陣の“日本人消滅”は現実的なシナリオなのだ。くしくも3日目までに和製大関全員に土がついてV争いから後退。すでにモンゴル勢に横綱の座を独占されている「国技」の行く末は、どうなってしまうのか。