日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が2日、横綱白鵬(36=宮城野)の東京五輪観戦について苦言を呈した。

 白鵬は柔道会場の日本武道館を訪れた写真がSNS上に複数投稿され、柔道の男子73キロ級金メダル・大野将平(旭化成)との2ショット画像などもあった。東京五輪は新型コロナウイルスの感染対策のため無観客で開催(一部を除く)。会場内に入れるのは基本的に競技関係者やメディアなどに限られており、ネット上では「何で入れるの?」「無観客なのに特別扱い?」といった疑問や「閉会式の構想に入っているのでは」との臆測など、さまざまな声が飛び交っていた。

 芝田山部長は「白鵬がオリンピック見に行ったと、すいぶん批判を買っているんだよね。なんで関係者でもないのに試合を見に行けるのか。(東京五輪は)客は入れないということになっているんだから。(相撲協会として)許可もしていない。普段だったら構わないけど、政府が無観客でと決めたんだから。行くなら(協会に)申請書出して、こちらで審査しなきゃいけない状況。たとえば政府からの要請なら、別。単なるモンゴル選手団からの要請じゃだめ。そこ(五輪会場)にいるのがおかしい」と観戦そのものに疑問を投げかけた。

 さらに「(政府が)無観客といっているのに、そこに行っているのは、大きな問題。本人がどのくらい理解しているのか。横綱としての立場も失格だし、協会員の立場も失格じゃないのと言われてもおかしくなくなってくる」と厳しく苦言を呈した。