今場所も“お預け”か。大相撲九州場所13日目(21日、福岡国際センター)、横綱初優勝を目指す鶴竜(29=井筒)が横綱日馬富士(30=伊勢ヶ浜)に寄り切られ、痛恨の2敗目を喫した。横綱白鵬(29=宮城野)は1敗を堅守。千秋楽に直接対決を残すとはいえ、苦しい状況に立たされた。

 今場所は積極的に前へ出る相撲が目立ち、10日目まで全勝で単独トップを走っていた。ところが、終盤戦に優勝の重圧がかかり始めると、まるで別人に。11日目に大関稀勢の里(28=田子ノ浦)に引く相撲で土がつき、12日目に大関豪栄道(28=境川)には立ち合いで変化。ファンからブーイングを浴びた。そしてこの日も一方的な完敗…。引きやはたきに頼る悪癖が出て自滅した格好だ。審判部長の伊勢ヶ浜親方(54=元横綱旭富士)は「もともと、ああいう相撲だから」とバッサリ。

 鶴竜は「(終盤戦は)自分から壊れていった。前日の変化? そういう相撲を取ったから、今日はダメだった」と肩を落とした。1敗目を喫した後にも「勝ちたいという気持ちが出た。クセというのは、大事なときに出るんですね。しようがない」と話していたばかり。逆転Vの成否にかかわらず、精神面を鍛える必要がありそうだ。