早くも陥落危機だ。大相撲九州場所12日目(20日、福岡国際センター)、大関豪栄道(28=境川)が横綱鶴竜(29=井筒)のはたき込みに屈し、負け越しの8敗目。来年1月の初場所をカド番で臨むことになった。取組後は「(はたきを)残せないのが悪い。負けられない意識? ないことはないけど、そこで踏ん張れないのが弱い」と無念の表情を浮かべた。

 新大関で迎えた秋場所は8勝7敗。そして2場所目の今回は名誉挽回を果たすどころか、痛恨の負け越し…。和製大関はどうしてしまったのか。日本相撲協会の北の湖理事長(61=元横綱)は「三役(関脇)の時からいいときと悪いときが極端だった。それと同じ。大関(の地位にいる)というだけで、気持ちが落ち着かないのでは」と指摘する。

 大関ともなれば、勝ち越しは当たり前で最低限の責任として2桁白星が求められる。自らの地位を意識しすぎているとの見方だ。実際、角界内には豪栄道が大関に上がる以前から「はまれば強いが、重圧がかかると弱い」との声があった。関脇時代に10勝以上を挙げて「大関取り」の話題が持ち上がるたびに、決まって翌場所は8勝どまりというパターンを繰り返していたからだ。

 そうだとすると、カド番の来場所はますます重圧を感じてしまうことになるが…。今度こそ「大和魂」を見せられるか