元大関の琴欧洲親方(31)が30日、都内で自伝「今、ここで勝つために」のPRイベントに出席。大相撲秋場所で旋風を巻き起こした幕内逸ノ城(21=湊)の「今後」を占った。

 同親方が“怪物”を初めて見たのは、昨年11月の九州場所前。まだ入門前の逸ノ城が佐渡ヶ嶽部屋へ出稽古に来た時から、当時は現役大関だった親方はデビュー後の活躍を予想していたという。

「(逸ノ城は)幕下や十両を相手に考えながら稽古していた。どんどん強くなっていくし、1年以内に(自分と)幕内上位で対戦すると思っていた」。その親方でさえ、今場所の快進撃までは想定外だったようで「場所前に組んでみたら重かった。10勝して敢闘賞くらい取ると思ったけど、2大関と横綱を倒した」と舌を巻いた。

 琴欧洲親方は初土俵から19場所で大関に昇進。年6場所制となった1958年以降、幕下付け出しを除く史上最速記録を打ち立てた。一方で、ヒザに慢性的な故障を抱えるなど大型力士としての苦労も味わっている。「大きい体だし、ヒザと足首が硬いからケガをしたら苦労する」と心配しつつも「それがなかったら、番付をどんどん駆け上がっていく」と予測していた。