幕内蒼国来(30=荒汐)が7日、愛知・犬山市の時津風部屋で出稽古し、幕内時天空(34=時津風)らと11番の申し合いを行った。2011年に八百長問題で解雇されたが、昨年3月に解雇無効判決。名古屋場所で現役復帰を果たし、丸1年がたった。蒼国来が「あっという間。必死で毎場所やってきた」と振り返る道のりは、決して平坦ではなかった。

 前頭15枚目で復帰してから3場所連続で負け越し。ズルズルと番付を下げ、昨年九州場所では幕下陥落の危機に立たされた。蒼国来は「幕下に落ちても相撲を続ける気持ちだった。(番付が)落ちても落ちても、勝ち越したところが自分の本当のスタートなんじゃないかと。とにかくもう一度、幕内で取りたかった」と当時の心境を打ち明ける。

 その九州場所はギリギリで十両に踏みとどまると、今年の初場所で復帰後初の勝ち越し。夏場所では、実に3年半ぶりに幕内で勝ち越した。1年ぶりに迎える名古屋場所(13日初日、愛知県体育館)は、自己最高位に並ぶ前頭13枚目で臨む。

 蒼国来は「(幕内での給金は)正直、2年くらいはかかると思っていた。初場所で勝ち越して『変わってきたな』と実感できるようになった。今は良かったころの8、9割くらいまで力が戻ってきている。最近、相撲が楽しくなってきて。番付を更新? それを目標にやっているので、8番は勝ちたい」と本紙にきっぱり。2年間のブランク解消の手応えを口にした。