ラグビーW杯日本大会準々決勝(20日、味の素スタジアム)南アフリカ戦に臨む日本代表に“不良外国人”が緊急エールだ。トップリーグの福岡サニックス(現宗像サニックス)でプレーした新日本プロレスのバッドラック・ファレ(37)が取材に応じ、日本代表入りした後輩2人の活躍を期待した。友人でフランカーのリーチ・マイケル主将(31=東芝)にはW杯制覇を要望し、バレットクラブ勧誘にも含みを持たせた。

 ファレは徳山大学を経て、2006年に福岡サニックスに入団。ラガーマンとして注目されるも、ヒザや足首の負傷もあってわずか2年で退団した。その後、新日プロの入団テストを受けて合格し、リングで暴れ回っているが、日本代表が快進撃するW杯に注目していた。

 ファレ 南アフリカ戦で日本の力強い勝利を期待している。これまでの戦術で十分通用するだろう。現在まで無敗の日本を支えているサポーターの応援は南アフリカ撃破の勢いを後押しするんじゃないか。過去にも勝利しているし(優勝候補が相手でも)勝機は十分にあるだろう。

 特にファレが気にかけているのは、母校デラセラ高校(ニュージーランド)の後輩で日本代表フランカーのツイ・ヘンドリック(31=サントリー)と、CTBラファエレ・ティモシー(28=神戸製鋼)だ。2人とも好調をキープしており、日本の8強入りに貢献した。

 ファレ 同郷の(元日本代表)マレ・サウ(32=トヨタ自動車)を含めて、彼らとはもう10年以上の付き合いになる。今でも東京やニュージーランドで会って食事する仲だ。2人はいいプレーを見せているし、W杯を通じてもっと有名になってほしい。特にラファエレは今大会で最も優れたセンターだろう。彼のオフロードパス(タックルを受けながらのパス)に相手は度肝を抜かすに違いない。

 日本の大黒柱として選手たちをまとめ、チームを同じ方向に導いてきたリーチ主将とは大学時代から顔見知りだが、プライベートで親交ができたのは14年、ファレが新日本のIWGPインターコンチネンタル(IC)王者となったことがキッカケだったという。

 ファレ 俺が王者になったことを祝福してくれたんだ。驚いたが、とてもうれしかったな。それ以来、彼とは交流が続いているし、いつもバレットクラブ(新日プロ内のユニット)を応援してくれている。リーチは本物のリーダーだ。常に謙虚で先頭に立ち、みんなを引っ張っている。誰からも信頼されて尊敬される人間だ。この勢いのまま日本をW杯優勝まで導いてほしい。

 かつて日本代表A(代表予備軍)にも選出され、WWEでも活躍したKENSOこと鈴木健三氏(45=現共同テレビジョン)を含め、ラグビーからプロレスに転向した選手は多い。パワーとスピードを兼ね備えた日本代表からも将来的に“華麗なる転身”を果たす選手は出てくるだろうか。

 ファレ 日本代表から誰かをプロレスに勧誘するかって? すでにツイとラファエレ、そしてリーチの3人はバレットクラブの名誉メンバーだ。この先に何が起こるのか。そこは楽しみに見守っていてくれ。