【ジョージア州アトランタ22日(日本時間23日)発】米男子ツアーのプレーオフ最終戦「ツアー選手権」(イーストレークGC=パー70)初日、松山英樹(24=LEXUS)は6バーディー、2ボギーの66で回り首位発進した。1000万ドル(約10億円)のボーナスがかかったシーズン最後の大会で好スタートを切った。ダスティン・ジョンソン(32)とケビン・チャペル(30=ともに米国)がトップに並んでいる。

 昨年10月に始まったシーズンを締めくくる大会に出場できるのはフェデックス杯ランク上位の30人のみ。予選落ちはなく、今大会終了時のランク1位になると賞金とは別に1000万ドルのボーナスをゲットできるエリートトーナメントで、松山が堂々の首位に立った。

「パットとバンカーショットがよかった」と話した通り、この日は小技が冴えわたった。

 1番で2メートルを沈めてバーディー発進すると、4番は5メートルをしっかりヒットして決める。

 6番パー5ではバンカーからの3打目を80センチに寄せ、3連続バーディー。昨年までとはアウトとインが入れ替わり「前半がタフ」(松山)と話していたが、そんなことは感じさせないバーディーラッシュだ。

 最大のピンチは8番パー4だった。ラフからの2打目は硬く締まったグリーンで止まらず左の池へ。ドロップしての4打目も3メートルオーバーしてしまった。

 だがフックラインを読み切り、ボギーでケガを最小限にとどめる。

 後半に入ると14番で5つ目のバーディーを奪い、18番パー5はバンカーから1メートルに寄せ、デリケートなタッチを沈めてバーディーフィニッシュ。これで首位に並んだ。

 今大会開始時点で松山のフェデックス杯ランクは17位。10億円のボーナスゲットのためには優勝が絶対条件で、さらにランク1位でこの日も首位に並んだジョンソンが3人の10位タイ以下になることが必要などハードルは高い。

 それでも今季の部門別ランクで「パットのスコアへの貢献度」が125位とグリーン上が“弱点”だったのが「(2戦前の)ドイツ銀行選手権からいい感じでパットが打てるようになった」(松山)のは大きい。

 2007年から始まったフェデックス杯のシステムで日本人最高位は昨年の松山の16位。目指すのはこの更新ではなく、もちろん頂点だ。