男子の世界ゴルフ選手権シリーズ「HSBCチャンピオンズ」最終日(9日、中国・上海の余山国際GC=パー72)、1打差の2位からスタートした岩田寛(33)は3バーディー、3ボギーの72と伸ばせず、通算10アンダーの3位だった。11アンダーのバッバ・ワトソン(36=米国)がティム・クラーク(38=南アフリカ)とのプレーオフを制してV。松山英樹(22=LEXUS)は3オーバーの41位だった。

 大快挙まであと数ミリだった。18番パー5、入れればプレーオフという岩田の3・5メートルのバーディーパットは、わずかにカップの左を抜けてしまった。日本勢初の世界選手権シリーズVは消滅。普段は口数が少なく、感情を表に出さない男が「今は悔しくて泣きそう」と漏らした。

 最終組で回ったこの日は前半で2ボギーを叩き、早々にV戦線から脱落したかと思われた。だが11、13、14番のバーディーラッシュで追い上げ。15番で落としたたものの、17番で4メートルのパーパットを沈めて踏みとどまり、18番につないだ。

 東北福祉大の後輩・松山を追い、年末の米下部ツアーの最終予選会に臨むことを決めている。ラウンド後には複数の海外メディアから取材を受け、世界を実感した。「この経験を無駄にしないように、明日からまた練習したい」。岩田の挑戦は始まったばかりだ。