フィギュアスケートのNHK杯(大阪・東和薬品ラクタブドーム)でアイスダンスデビューを飾った高橋大輔(34=関大KFSC)に対し、フィギュア界の多方面から「絶賛」の声がやまない。

 今年から同種目に挑戦する高橋は平昌五輪代表・村元哉中(27=関大KFSC)との新コンビで実戦デビュー。結果は3組中3位という成績に終わったが、今大会のアイスダンスはテレビで生中継され、男女シングル以上に注目を集めた。この大ちゃんのスター性、カリスマ性には他の選手も舌を巻く。

 フリーダンスが行われた28日の試合後、ライバルたちへ「高橋大輔がアイスダンスに転向し、どんな気持ちか?」との質問が飛んだ。

 まず、口火を切ったのは優勝したティム・コレト(29)だ。「ダイスケと最初に会ったのは(2012年の)四大陸選手権。僕と母は大会のボランティアをやっていて、サインをもらったんですよ。すごいスター選手で憧れを抱いていた。だから1年前にアイスダンス転向と聞いて、すごくワクワク。本当に尊敬の念しかありません」と少年のように目を輝かした。

 すると、隣にいた妻でパートナーの小松原美里(28=倉敷FSC)が「私もひと言いいですか?」とカットイン。立て続けに熱い言葉を続けた。

「フィギュアを始めた理由は高橋さんなんですよ。地元(岡山県)が同じで、19年前だったかな。私の憧れの存在でした。そんな高橋さんがアイスダンスをやってみたいと思ってくれて喜びました。やっとアイスダンスが日本で注目を浴び、そして光を当ててもらえる。コロナのせいで行けないけど、ホントは一緒に飲みに行っていろいろとインタビューしたいんです」

 今大会2位の張睿中(23=カナダ)も〝大ちゃん愛〟は負けていない。

「アイスダンスに高橋選手が転向するって聞いた時は本当にうれしかった。僕は高橋選手が五輪で活躍するのをテレビで見ていたんですよ。演技ではホントにお手本にしていました。ジャンプだけじゃなく全部、本当にスケーティングがきれいです」

 さらにアイスダンサーが脚光を浴びた大会を振り返り「私のような無名な選手でもメディアが注目してくれる。アイスダンスは芸術とスポーツの融合。アスリートであってアーティストでなければならない競技です。こんなアイスダンスを選んでくれて本当にありがとうございます」と、高橋に敬意を示した。

 そんな言葉の数々を、高橋は照れ笑いを浮かべて聞き入っていた。