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ヤンキース田中が2勝目 転機の裏に「ある決断」


【ペンシルベニア州ピッツバーグ20日(日本時間21日)発】ヤンキースの田中将大投手(28)は、19日(同20日)にヤンキー・スタジアムでのホワイトソックス戦に先発し、7回1失点で今季2勝目(1敗)を挙げた。本来の調子ではないが、7失点KOされた開幕戦の状態からは完全に脱出した。一体、何があったのか。その転機となったのは、マウンド上のわずかな時間で踏み切った“ある決断”だった。

 

 この日、チームは21日(同22日)からのパイレーツ戦のためチャーター便でピッツバーグに移動した。田中は登板翌日ということもあり、完全オフに充てた。

 

 ホワイトソックス戦は打線の大量援護もあり、結果だけを見れば1失点だったが、得点圏に走者を背負う場面が多かった。2、4、7回はいずれも先頭打者に二塁打を許した。そこで大崩れしなかったのが、過去の登板とは違う点ではあるが、田中は当然納得していない。試合後も「序盤、ボールが結構多くて、思うように体が動かせてない部分もあったが、徐々にタイミングを合わせて投げられるようになってきた。でもランナー出すことも多かったし、長打も多かったんで、もう少し減らさないと」と表情は硬かった。

 

 しかし、過去3度の登板とは明らかに変わった点がある。それは「スプリットの落としどころ」。ストライクゾーンからボールゾーンへと落として抑えにかかる本来のスプリットと、ストライクゾーンの中で浅く落としてカウントを稼ぎ、打者の反応によっては打ち損じを狙うスプリットだ。これ自体は以前から投げ分けていたが、実は7失点KOされた開幕戦でことごとく打ち込まれて以降、浅く落とすスプリットは自信を失いかけていた。さらに3度目の登板だった14日(同15日)のカージナルス戦ではコンディションの悪さから、本来のスプリットまでも簡単に見逃される状況に…。

 

 追い込まれた田中はマウンド上でこう考えたという。「結局、それでボール、ボールになってしまったら同じミスしかしない。だからもう、開幕戦はそれで置いといて、ミスをするならミスの仕方を変えてやらないといけない」。結果的にこれが奏功し、カウント球となり、打ち損じさせることもでき、ゼロを重ねることができた。

 

 試合中、しかもマウンド上で追い詰められた中でここまで思い切る。田中からすれば「これまでもやっていること」だという。「ミスするなら違う答えを出した方が『こういう答えもあったのか』って思うわけじゃないですか。(今回のケースでいえば)結局、四球ってバッターからの答えはない。じゃあストライクゾーンにどんどん投げていってバッターに振ってもらって答えが出た方が、自分の何が悪いかがわかる。『打たれてもしょうがない』じゃなくて、そこからいろいろアプローチの仕方があるわけだから」。登板ごとに状態が上がっているのは、こうした思考の積み重ねがある。

 

 スプリットに関しては前回の経験が生きたのでは、の問いに田中は「うん…まあでも、スッといって大きい当たりされたりもしてますからね、そこは難しいところですけど」と語ったが、確実に前進している。この1勝で日米通算140勝となり、レンジャーズのダルビッシュに並んだが、エースに特別な意識はない。頭にあるのは相手打線を抑える、それだけ。次回はさらに復調した投球が見られるはずだ。

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