ロシア政府のスポーツ副大臣を務めるオーデス・ベイスルタノフ氏が、ウクライナ侵攻に対するロシア制裁を受けてアスリートの間で広がる国籍変更の動きに強い〝警告〟を発した。

 スポーツ界で制裁が広がっていることから、海外で活躍するロシア人選手を中心に国籍変更や亡命を検討する選手が続々と出ている。最近ではチェス選手であるエフゲニー・ロマノフが、ノルウェー代表としてプレーする考えを明らかにしたばかりだ。

 そうした中、ロシア放送局「マッチTV」は「現在の状況下でロシアの国籍を変更することを決定した選手は、後で戻ってはならない」と指摘し、ベイスルタノフ副大臣のコメントを報じた。

 15日に開かれた会見で「ロシアから国籍を変更した人々には、誰であれ幸運を祈るよ。ただ、後で戻ってくるということはないように」と釘を刺し、国籍変更の動きを強くけん制した。

 要人の発言を受けてロシアメディアは続々と報道。「ソビエトの国」は「スポーツ省は、国籍を変更した選手を入国させないことを提案した」と国籍変更や亡命した選手に対しては、2度と祖国の土を踏ませないというロシア政府の厳しい方針を示した。

 プーチン政権による警告が、加速する亡命の動きを止めることになるのか注目が集まる。