厄介な問題だ。インドオリンピック委員会(IOA)は19日、東京五輪・パラリンピック組織委員会がインドなど11か国から到着した選手団について、厳しい検疫を求める方針を示したことに「差別的で非常に不公平」と非難した。

 IOAは組織委員会が新型コロナウイルスの新たな変異株が流行するインドを含む11か国からの選手団について、入国後3日間は選手村に入らず、他国の代表と練習試合を行わないなど厳格な検疫を課す方針を示したことに反応。「ヒンドゥスタンタイムズ」など複数のインドメディアによれば、IOAのナリンダー・バトラ会長らが共同声明を発表。「3日間は選手がピークに向かう必要がある時間。練習エリアに他の選手が常に存在するのであれば、インド選手はどこで練習するのか。この3日間は非常に無駄になる。インドの選手にとって非常に不公平」と非難。また、食事についても「この3日間、どこで何を食べるのか。本番5日前に、自分の体を計画通り作る選手が、望む食事を取れないことは、パフォーマンスに影響するのではないか」と問題提起。組織委員会側に、これらの問題について手紙を書いたという。

 インド選手団は2度の予防接種を完了させ、出発前7日間は毎日PCR検査を受ける方針とあって、厳しい措置に納得がいかない様子。「5年間頑張ってきたインド選手が、本番5日間前に差別を受けるのは非常に不公平だ」としている。

 インド以外の国からもクレームが出そうな問題。押し通したとしても、「公平ではなかった」と後からも文句が付きそうだ。