東京五輪の聖火リレーをめぐって、まさかの仰天プランが急浮上した。新型コロナウイルス禍で五輪開催そのものが不透明なことに加えて、今月25日にスタートする聖火リレーでも問題が噴出。すでに島根県が中止の検討を表明し、著名人ランナーの参加辞退も相次いでいる。そんな中、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が自ら聖火ランナーに立候補しているとの情報を本紙はキャッチ。いったい、どういうつもりなのか。

 聖火リレーは今月25日に福島県のJヴィレッジをスタートし、開会式の7月23日まで約4か月をかけて全国47都道府県を巡る予定。しかし、逆風は日増しに強まっている。まずは〝島根の乱〟だ。政府と東京都のコロナ対策を疑問視した島根県の丸山達也知事(50)は中止の検討を表明。これに追い打ちをかけるように、著名人ランナーの辞退者が続出している。

 聖火リレーの辞退と言えば、大会組織委員会の森喜朗前会長(83)による「失言」に激怒したお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳(47)が記憶に新しい。その後に将棋の藤井聡太2冠(18)が昨年秋に辞退していたことが発覚。さらに、最近になって歌手の五木ひろし(72)や女優の玉城ティナ(23)、俳優の斎藤工(39)、女優の常盤貴子(48)と〝辞退ドミノ〟が止まらない。

 多くの理由は「スケジュールの都合」だが、ここまで続くと五輪の機運は盛り上がるどころか冷え込むばかり。ところが、この流れに逆行して聖火ランナーに名乗りを上げている〝超大物〟がいるという。ほかならぬ、IOCのバッハ会長だ。組織委関係者によると、5月17、18日に日程が組まれる広島県に狙いを定めているという。

 かねてバッハ会長は世界的な平和都市として知られる広島行きにこだわりを見せており、すでに5月の訪問を表明。「ノーベル平和賞が欲しいバッハ会長は、とにかく広島で平和の祭典をアピールしたい」(組織委幹部)という〝真の目的〟があることは本紙でも報じている。それが、訪問だけでは飽き足らず「俺が走る!」と自ら走者を買って出るとは…。広島訪問にかける並々ならぬ意欲がうかがえる。

 実際、バッハ会長は3年前の平昌五輪でも聖火リレーの走者を務めており、今回の立候補の動きも何ら不思議ではない。約1万人の聖火ランナーは各自治体による公募や推薦で選出されているが、実はその他に「スポンサー枠」と「IOC枠」が存在する。バッハ会長は「広島県内のIOC枠に自分をねじ込もうとしている」(組織委関係者)という。

 とはいえ、一筋縄にはいかない。ただでさえ国民は五輪に厳しい目を向けており、今の状況で五輪の〝大ボス〟が走るとなれば、反対派の猛反発は必至だ。昨年末に来日した際には抗議運動が繰り広げられ、反対派がバッハ会長に詰め寄る場面もあった。組織委サイドにとってもセキュリティー面で新たな懸念材料を抱えることになるだけに、本音は「大迷惑」といったところか。実現すれば、大きな波紋を広げることになりそうだ。