国際オリンピック委員会(IOC)で1978年から委員を務める最古参のディック・パウンド氏(78)が、新型コロナウイルス禍で開催が危ぶまれる今夏の東京五輪へ懐疑的な見解を示した。英BBC放送(電子版)が7日(日本時間8日)に伝えた。

 パウンド氏は五輪開催について「私は確信することができない。ウイルスの急増は進行しているからだ」と話している。

 同氏はコロナ禍が深刻になった昨年2月、IOC幹部として先陣を切って「1年延期」を主張。事態が終息しなければ「中止を検討」とも言い放ち、日本国内では国会でも話題に上がった。

 その後、IOCのトーマス・バッハ会長(67)、大会組織委員会の森喜朗会長(83)らは〝火消し〟に奔走したが、最終的に同氏の「延期発言」は現実となった。

 また、BBC放送は菅義偉首相(72)が緊急事態宣言の発出の中で危機感を示したこと、NHKの世論調査で東京五輪が再延期か中止が望ましいと回答した人が多数派となったことなども伝えている。