日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題は完全に終結したのだろうか。

 昨年5月、日大アメフト部の宮川泰介選手(21)が関西学院大選手に反則行為で約4週間のケガを負わせた問題で、東京地検立川支部は15日に書類送検された宮川選手を「被害者側と示談が成立していることを考慮」して起訴猶予、危険タックルを指示した疑いの内田正人前監督(64)と井上奨元コーチ(30)を「共犯と認めるには疑いが残る」と嫌疑不十分とし、不起訴とした。

 宮川選手の代理人を務めた西畠正弁護士は本紙に「これしか妥当な処分はないと思っていました」とし、起訴猶予については「犯罪としては成立するけれど、起訴して処罰を求めるほどではないと判断された。あの映像で傷害に当たることはハッキリしていますが、大したことではないという判断。すべての犯罪行為が起訴されるわけではない」と説明した。

 また、昨年7月に日大から懲戒解雇された内田前監督は処分無効を求めて提訴しているが、今回の不起訴で、これら民事の事案はどうなるか。

 西畠弁護士は一般論として「刑事で不起訴でも民事で有罪というケースはある。例えば痴漢冤罪で逮捕されただけで解雇されることもある。民事では証拠の優越といって『どちらかと言えばやったっぽい』という程度でも事実認定されるケースはあります」と解説。今後、関連する裁判などの行方も注目される。