日本と韓国の関係悪化の波紋が来夏に東京五輪を控えるスポーツ界にも広がった。北海道で開催されているカーリングの国際大会に韓国女子2チームが参加を取りやめた問題で、韓国メディアは、日韓関係の冷え込みが辞退の理由と報道した。

 日本カーリング協会の小高正嗣事務局長は、代わりに日本のジュニア2チームが参加するとし「それ以上の情報は持っていません」。また鈴木俊一五輪相(66)は「政治とスポーツは別というのが一つの考え方。今の2国間の状況を前提としてチームが参加しないことについては私としては大変残念」と語った。

 両国の緊張感の高まる中、8月に沖縄で開催予定だった小学生の「日韓ハンドボール親善交流大会」が中止。またバレーボールでは韓国の複数チームが予定していた日本での親善試合をキャンセルと影響も出ている。

 一方、柔道の世界選手権(25日開幕、東京)を控える全日本柔道連盟関係者は「これからどうなるかわからないが、全く何も聞いていない」。サッカーの東アジアE―1選手権(12月、日本)の関係者も「今の時点でなにも変更はない」とし、この日開幕した競泳のW杯(東京・辰巳)にも韓国選手が出場している。

 そんな中、韓国紙「中央日報」は「東京五輪のボイコット?」との見出しで、韓国与党内の「一部では2020年東京オリンピック(五輪)に打撃を与えるべきだという主張もある」と報道。両国の対立が深まりつつあった7月には五輪ボイコットを求める請願が、青瓦台(大統領府)のホームページに提出されており、韓国側は不参加が国際社会へのアピールになると考えているようだ。

 鈴木五輪相は日韓関係の悪化により、五輪への影響が懸念されることに「今のところは聞いていない」と話したが、スポーツ界でも対立激化となるのだろうか。