知らないうちにネタにされ笑われているなんて…。若い女性が電車内などでスマートフォンを使い、男性を盗撮してツイッターに投稿し、炎上するケースが増えている。たいてい「きもいオッサンがいた」などとコメント付きで、友人らと面白おかしく話題にしているのだ。オッサンからすれば、不愉快この上ない。識者によると「名誉毀損で訴えることも可能でしょう」とその犯罪性を指摘したが――。

 今や若者の間ではLINEやツイッターといったSNSはコミュニケーションに欠かせないものになっている。ところが、ネット上のエチケットである“ネチケット”は、まったく備わっていない。

 最近、女性のツイッターの炎上が相次いでいる。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「女性が電車内で『変な人』を見つけて、スマホで撮影し、ツイッターに投稿するケースが増えていると聞きます。友達同士で話題にして楽しんでいるのでしょう」と明かす。

 炎上したケースを例示しよう。若い女性が「前の男きもすぎて早く降りたいw 満員電車近いからほんとやだw 手の動ききもすぎだし さっきからずーとえろいサイトみたいなの見てるw」と、スマホを操作する男性の写真付きでツイート。

 ほかにも電車で熟睡しているサラリーマンを撮影し「アンガールズの山根そっくり笑」というタイトルでアップ。スマホでエロ画像を見ているサラリーマンを撮り「おっさん…電車の中ではやめとけや笑。たまりすぎやろ爆笑」。ある女子高生が電車内にいた頭髪の薄い男性を写真付きであざ笑うような投稿をすることも。

 狙われるのはハゲている人、太っている人のほかに、ずっと見つめてくるなどエロい要素のあるオッサンばかり。ツイッター発で公開しているから、不特定多数の目にさらされてしまう。いくらなんでもひどいではないか。

「女性はきもいと感じた男性を話題にする傾向があります。テレクラがはやっていたときもそう。女子中学生がテレクラでオッサンと駅前で待ち合わせをして、遠くから友達と、オッサンが来ているのを確認して『きもいヤツが来た』なんて笑い合う。それが今、ツイッターになったということです」(井上氏)

 テレクラ時代なら、知らない相手に知らない間に笑われていただけだが、ネット時代では盗撮された無防備な自分の姿が、永遠にネット上に出回り、笑われ続ける。知らない間に撮られた画像を自分で見つけることは不可能だ。知人から「お前、ネットで笑われてるぞ」と言われないと、画像の存在に気付かない。どうにか気付いた場合はなんとかならないのか。

「ネットに詳しい弁護士の間でも話題になっており、撮られた本人が特定できれば、撮影者を名誉毀損で訴えることは可能といいます」(同)

 さらに警察関係者は「以前、男が電車内で服を着た女性を盗撮して迷惑防止条例で逮捕されたことがありました。条例は『恥ずかしい思い』をさせたら適用できる」と条例で検挙もできるのだ。

 今やツイッターはネット掲示板に転載され拡散してしまう。オッサンといえども盗撮の被害者になるので、きもいと思われないよう注意が必要だ。