国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)から国際大会からの追放を通達されたロシアサッカー界が、アジアサッカー連盟(AFC)に転籍する仰天プランが浮上した。

 ロシアメディア「ゴル」は「ロシアサッカーの唯一のチャンスはアジアに行くことだ」と報道。「孤立は何年も続いてしまうだろう。おそらく欧州のサッカーには戻れない。そうなれば、孤立から抜け出すための唯一の解決策はAFCに移ることだ。近年、オーストラリアがオセアニアからAFCのメンバーになった例もある」とロシアが対外試合を継続するために転籍の選択肢があると指摘した。

 驚くべき計画だが、同メディアは実現までの道筋をこう説明する。

「UEFAはロシアが欧州サッカーから離脱するぶんには妨害しない。ロシアは地理的な位置からAFCに参加する根拠がある」と転籍の正当性を主張。そして「AFCは新しいメンバーを受け入れる準備ができている」と断言する。世界でロシア包囲網が広まる中で、AFCが転籍を認める根拠は〝あの国〟の存在だ。

「アジア諸国は中立またはロシアへの支持を維持している。アジアで制裁を科したのは日本だけだ。そして欧州の動きは、ロシアと中国の間の緊密な関係には影響を与えない。その密度は北京五輪を前にプーチン大統領が訪問したほど濃いものだ。中国は欧米の措置に参加していない」

 ロシアの〝盟友〟ともいえる中国がAFCへの加入を後押しするというわけだ。

 そういした点を踏まえて「最も可能性の高い選択肢はこうだ。AFCはロシアの加入を承認するが、FIFAは欧州各国からの圧力を受けて、主催の大会には参加させない。したがってW杯には出場できなくなるが、少なくともアジアカップやガルフカップのようなAFC管轄の大会には参加できる。各大陸連盟はFIFAの承認なしに代表チームを認めることができ、実際にFIFAから認められないままUEFAの大会でプレーしたジブラルタルの例もある」とした。まずはAFC管轄の大会で活動しつつ、ほとぼりが冷めるのを待った上でFIFAからの制裁解除、そしてW杯への出場へとつなげる構えだ。

 AFCでは南米選手権への招待枠もあり、対外試合は多く実施できるメリットを強調。また、クラブも一緒に転籍してロシアチームがアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場することになるという。

 窮地に追い込まれたロシアの起死回生の策は実現するのか。日本と対戦する可能性もあるだけに今後の行方に注目が集まる。