元日本代表MF本田圭佑(33)にスペイン移籍が急浮上した。11月にオランダ1部フィテッセへ加入したものの、ロシア1部CSKAモスクワ時代の恩師でもあったレオニード・スルツキ監督(48)が辞任して後ろ盾を失った。そこで来夏の東京五輪代表入りを実現させるために今冬のスペイン行きを希望。複数のクラブが候補に挙がる中、元日本代表監督が指揮を執るレガネス入りが本命視されている。

 早くも本田の動向から目が離せなくなってきた。かねてスペイン移籍を希望していたが、加入したフィテッセのスルツキ監督が成績不振を理由に辞任。本田は「監督がいなくなったことで、ここにいる意味が半減している。当然ながら冬の移籍も頭の中に入れている」と話している。ホームで行われた22日のVVVフェンロ戦は「個人的な理由」という一部報道もあり、ベンチ外。スタジアムにも姿を見せず、前述の言葉を裏付けるような行動をとった。

 来夏の東京五輪に向けて24歳以上のオーバーエージ(OA)枠での出場を目標に掲げるが、大逆転で代表入りを実現させるには、ハイレベルなリーグで好パフォーマンスを示さなければならない。そこで代理人を務める兄の弘幸氏が来年1月の移籍市場に向けてスペイン各クラブに働きかけているのだ。

 そうした状況で、スペインで本田の獲得に興味を持つクラブが判明。欧州で活動する代理人は「本田を獲得することによるメリットを重視するクラブや(リーグ)下位で現状の戦力だと苦しいところが興味を持っている。マジョルカ、レガネス、グラナダあたりは状況次第で話が進むかもしれない」と指摘した。

 なかでも注目されているのはレガネスだ。今シーズンは序盤から低迷して2部降格圏と危機に瀕しており、11月には元日本代表監督のハビエル・アギーレ氏(61)が指揮官に就任。それでもチーム状況が好転しないことから、指揮官は救世主として本田の獲得を検討しているという。

 2015年2月まで日本代表を率いていたアギーレ監督は当時、不動のエースだった本田に絶大な信頼を寄せ「目を見るだけで理解し合うことができる」と語っていたほど。実力に加えてピッチ内外で発揮される大きな影響力を評価しており、一気に移籍交渉が進展することも考えられる。

 本田にとっても元代表監督と“合体”することはメリットとなる。良き理解者のもとでプレーできれば、シーズン途中でも森保一監督(51)への猛アピールが可能。東京五輪を目指す上で、完全復活を見せつけるには最高の環境と言えるだろう。

 また、日本代表MF久保建英(18)の所属するマジョルカは、積極的に日本市場に参入しており、経営的な狙いから本田をリストアップ。さらにグラナダも中国人の蒋立章オーナーがアジア市場の開拓を見据えて日本人選手の獲得に動いており、知名度のある本田に興味を持っているという。

 東京五輪まであと約7か月。森保ジャパン入りは非常に厳しい状況とみられるが、“有言実行の男”は最後のチャンスをつかめるか。