サッカーのスペイン2部マラガに入団した日本代表FW岡崎慎司(33)が窮地に陥っている。地元紙「マルカ」は、スペインプロリーグ機構(LFP)が7月31日以降、規約に定められた選手年俸の総額を超えたマラガに対し、岡崎ら新加入した選手のリーグ登録を禁止していると報じた。

 この処分は1部グラナダと2部マラガ、2部ラスパルマスに科されたが、マラガの原因はオーナーを務めるカタール王族のアブドゥラ・アル・アルタニ氏にあるという。新シーズンに向けて所属選手の放出を認めておらず、年俸総額が膨らむばかりの異常な事態に陥っているからだ。

 クラブ側は移籍金750万ユーロ(約8億8000万円)でビリャレアルからオファーが届くFWハビエル・オンティべロスをはじめ所属選手の売却を好条件で進めたい考えだが、アルタニ氏が承認しないために頓挫。クラブのルイス・カミネロ・スポーツディレクターも、意味不明なオーナー方針に「普通ではない」と頭を抱えるばかりだ。

 実際、アルタニ氏はここ数か月、クラブの実務に取り組んでいないという。地元メディアによると、こうした現状に少数株主たちは「あなたの経営には何も期待しない。保有する株を手放して出て行ってほしい」と非難する声明を発表し、クラブ会員であるマラガ市長も問題を憂慮し「状況は決していいとは言えない」と異例のコメントを出した。

 さらにサポーターは大規模な抗議集会を予定するなど、チームの周辺で混乱が続く。今季の選手登録は夏の移籍市場が閉まる9月2日まで。状況が改善しなければ、岡崎は加入を熱望したスペインで試合に出られなくなるが…どうなるのか。