【長友佑都インタビュー後編】 J1FC東京に電撃復帰した日本代表DF長友佑都(35)が本紙などの合同インタビューに応じ、愛するクラブへの思いを激白した。チームは22日に名古屋戦、25日に浦和戦とホームで強敵相手の注目試合が続く。そうした中でこれからどのような戦いを見せていきたいのか、そしてFC東京をどう変革していくのか。〝長友節〟を全開にして熱く語った。

 ――18日の横浜FC戦で11年ぶりに味スタのピッチに立った感想は

 長友 11年前の自分のいろんな思い出がよみがえってきた。ただ、あの時も本当に強い気持ちで成り上がってやろうという野心があったが、今の自分はそれ以上。このチームを勝たせたい、常勝軍団にしたいという思いは当時より強い。

 ――野心というのは具体的に何か

 長友 自分が圧倒的なパフォーマンスを見せてFC東京を優勝に導く。そしてそれが来年のW杯につながっていく。その2つの野心がある。

 ――W杯とは自身にとってどのようなものか

 長友 僕の語彙力では伝える言葉が見つからないくらいW杯というのは特別。しかも、経験すればするほどW杯の虜になる。W杯の中毒になってしまうような影響力がある。

 ――タイトルを取るクラブの特徴とは

 長友 まず熱量がある。勝利に対する熱量、情熱が圧倒的にある。FC東京にもその熱量、勝者のメンタリティーを植え付けたい。僕の燃えたぎる炎を感じてもらって、一人でも多くの選手たちが熱量を高めてもらうことによって、勝利する確率も高くなる。

 ――今のFC東京をどう感じるか

 長友 正直ぬるいなと思った。勝つチームの熱量、雰囲気ではない。すごく高い位置で熱量を伝えていきたい。

 ――初めて一緒にプレーする選手の中で、自身のような熱さを期待したい選手はいるか

 長友 みんなに期待をしているが、明治の後輩である(MF安部)柊斗には期待したい。常に声はかけている。

 ――代表ではトレーニングなどを指導する〝長友塾〟を開いているがFC東京でも

 長友 これから興味がある選手がいたらやっていこうかと思っている。徐々に、トレーニングのこともそうだし、メンタルもそうだし、高い基準で勝負すること、勝利に向かうことの大切さを伝えていきたい。

 ――その熱さはどこから湧き出てくるのか

 長友 11年前より飢えているから。やっぱりこのクラブでJリーグ優勝したい、頂点に立ちたい。成長するために妥協しない。悔しい気持ち、エネルギーが自分を成長させてくれる。試合に出られないときは隠れてトレーニングしていたし、トレーナーにダメと言われても練習していた。試合の後、夜中3時とか4時に帰ってきても家の近くの坂道で走っていた。それくらいやらないと残っていけないし、今の自分はない。

 ――若手がそうした姿勢を見て触発される

 長友 自分の姿勢、言葉だったりでこの熱さを伝えたい。結局、人って慣れてしまうので。ぬるい環境とかぬるま湯につかっていると麻痺して何も感じなくなる。そこに一つの熱いものが入ってくると熱くなる。このままではダメだと感じてもらいたい。そのためには自分が一番熱くないといけない。「長友さん熱いな、やべーな」と思われるくらいの熱量を持っていないといけない。

 ――FC東京は勝負弱いと言われてきたがそれを変えられるか

 長友 思っているから僕はここにいる。思っていなかったら(復帰を)選んでいない。ここに来ていない。