【まるがめボート「SGオーシャンカップ」12日開幕=カウントダウンコラム(3)】12日にボートレースまるがめで開幕するSG「第22回オーシャンカップ」のカウントダウン企画は「挑戦者たちの流儀」と題し、SG経験は少ないものの、さらなる飛躍が期待される選手にスポットを当てている。第3回は昨年のヤングダービー覇者・松田大志郎(29=福岡・104期)がSGでも不変の“ポリシー”を打ち明けた。

「正直なところ、まだSGでどうやって戦うか、というイメージはできていないんですよね」

 ここまでのSG出場は3節。成績は次の通り。

 15年尼崎クラシック⑥⑥⑥⑤④⑥⑤④
 16年大村チャレンジカップ⑤④⑤③④⑥⑤③
 16年住之江GPシリーズ 転欠(帰郷)

「SGでは全然、結果を出すことができていませんからね。エンジンの引きも良くないんですよ。一度、40%ぐらいのエンジンを引いてみたいんですけどね」と苦笑する。

 16年は2月の九州地区選手権でGⅠ初優出を果たすと3月の芦屋63周年記念、5月の大村64周年記念と立て続けにGⅠ優出。そして9月のとこなめヤングダービーではGⅠ初制覇と記念戦線で活躍した。

 17年も2月の九州地区選、6月の江戸川62周年記念で予選突破と最低限の目標はクリアしている。ただ「流れは良くないですよね。江戸川の時は悪くなかったけど、なかなかいいエンジンも引けていない。そろそろ流れを変えたいんですけど…」と不満を漏らす。

 停滞ムードを吹き飛ばすにはSGという大舞台はうってつけだ。「結果を出すことができていないので、そろそろ結果を出したいという気持ちはある。結果を求めていく、という考えもあるでしょうね」という。

 その一方で松田自身がデビュー以来、心の中で固く誓っていることがある。「事故だけは起こしてはいけないと思っています。特に人身事故。自分が事故を起こさないことはもちろん、事故に巻き込まれそうになっても何とか避けられるような走りをする。これは選手になってからずっと心がけていること。勝負に行かなきゃいけない場面もある。その時は勝負に行く。でも、事故だけは避けなきゃいけない。そのギリギリのところで勝負できるようにならないといけない」

 常に危険と隣り合わせのボートレーサー。「勝負」と「安全」の選択を迫られる局面も少なくない。ただ「勝利を追求すること」と「無理すること」は違う。勝つために無理をするのではなく、まずは自分自身を磨き上げる。これが“松田大志郎の流儀”だ。

☆まつだ・たいしろう=1987年12月5日生まれ。福岡支部の104期生。2009年5月に若松で初出走。14年5月に芦屋で初優勝。15年3月尼崎クラシックでSG初出場。16年9月とこなめヤングダービーを制してGⅠ初V。同期に岡村慶太、中田竜太、竹井奈美、西川昌希らがいる。身長157センチ。血液型=A。

 ※次回はまるがめの水面&エンジン特集