【江戸川ボート・GI江戸川大賞:注目レーサー=中田竜太(29=埼玉)】4月のまるがめ65周年でついにGⅠタイトルまで手に入れた中田竜太が得意の江戸川へ乗り込む。来期の適用勝率は過去最高の7・93をマークし、全選手中トップ10入り。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

「自分のやり方は変わってない。やっぱりいいエンジンを引けていることが大きいですよ。まるがめ(周年)がそうでした。前検から“これは違う”という感じ。それにペラも当たってますね」

 エンジン出しに手間取らなければ、当然レースに集中できる。2月のまるがめ一般戦初日後半から3月の江戸川GⅠダイヤモンドC3日目まで1か月以上にわたり一度も3連対を外さない安定ぶり。その中には地元・戸田で達成した自身初の完全優勝も含まれている。「一般戦ですから」と謙遜しながらも、確かな手応えもつかんだ。実際に先月の宮島63周年記念は予選突破こそならなかったがペラの形を変えて戦えるレベルまで持ち直した。

「もともと自分は1着並べるようなタイプじゃないんです。でも最近は節間のレース内容やリズムの振れ幅が以前より小さくなった気はしています」

 キーワードは安定感。それはエンジンやレースだけでなく精神面にまで及んでいる。

「前は(記念レースが)本当に嫌だった。だってボコボコにされるんですよ。オッズを見ても中田竜太はまずバッサリ切られてたでしょ。そもそも本人がそう思っていた。ファンの立場なら当然ですよ(笑い)」

 今では記念の強力メンバーが相手でも臆することなくレースに参加できている。先月の福岡SGオールスターでは予選突破を果たした。

「まだオッズには及んでないかもしれないけど(笑い)。でも自分の中では中田竜太はバッサリ切る対象ではなくなった」

 江戸川周年は2014、15年と2年連続優出。前出のダイヤモンドCでもエンジン出しに成功している。「前回は準優(6着)だけチグハグなレースになってしまいました。でも足は自分の好きな感じ。行き足や二の足がきていましたよ。相性のいい水面なので楽しみです」

 童顔に似合わない強気なレース運びを今大会でも存分に見せてほしい。

☆なかだ・りゅうた=1988年4月10日生まれ。埼玉支部の104期生。2009年5月に戸田でデビューし、その節にいきなり初1着。13年9月に地元の戸田で初優勝。翌年から本格的に記念競走に参戦。今年4月のまるがめ65周年で待望のGⅠ初制覇。妻は女子レーサーの浜田亜理沙。身長167センチ。血液型=A。