【ボートレース宮島・GI宮島チャンピオンカップ(11日開幕):エンジン評価】現行エンジンは昨年の9月に導入し、約8か月が経過。本来5月には温水パイプも外されるのだが、今大会までは装着する。相場の変動もあまりなさそうで、機力評価はこれまでの実績を重視してよさそうだ。

 11号は初下ろしとなった昨年9月のタイトル戦では強烈パワーで鈴木博が優勝。以降、10月初旬のタイトル戦から1月中旬まで10節連続優出という大記録まで打ち立てた“絶対エース”。行き足から伸びにかけてが抜群で、立ち上がりでグイッと出て行くパワフルな足色はコース不問で狙える数少ない逸品と言える。

 20号機は当初、あまり目立つ動きではなかったが近況は充実。伸び型にグリップがつくようなイメージに仕上がることが多く、タイプとしてはやや伸び寄り傾向だが、瞬発力で負けることもなく間違いなく上位の一角。

 伸び負けしない52号機と実戦向きに仕上がる54号機はここまでムラがなく活躍してきたメーカー機。記憶に新しいところでは3月のGII「レディースオールスター」で日高逸子が抜群の伸びを披露していたのが52号機。優勝戦で果敢なまくり攻勢を仕掛けて準優勝の地元・海野ゆかりが乗っていたのが54号機。ともに上位級の動きでファンを魅了したエンジン。

 近況の動きでは22号機も光る。出足型、伸び型と乗り手によって変幻自在に足色が変わる珍しいタイプだが、1月中旬あたりから一気に本格化。現在では確実に上位グループに食い込む注目機。

 他にも14、18、38号機と良機が存在するが、最近ではセットとなるボートの影響もかなりある。ちなみにエースボートは52番。このボートは過去に事故歴もなくバランスのいいボートで選手からの評価も高い。63番も軽快さ光る逸品。ぜひ、チェックしてもらいたい。

【水面の特徴】最大で約4メートルと日本一の潮の干満差を誇る瀬戸の宮島水面。この干満差が大きければ大きいほど潮の満ち引きによる潮流が激しくなる。これがスリット通過時の選手の景色を変え、追い潮と向かい潮ではスピード乗りも変わり、さらに前、後半で風向きが変わることもしばしば。ゆえに宮島水面は“スタートの難所”として知られるのである。

 さて、大会期間中の潮位を見ると序盤の2日間が大潮。その後は中潮となっている。潮回りは前半レースの時間帯に満潮を迎え、後半レースに向けて水位が下がる“引き潮水面”がメーンとなるのでスピード勝負に期待ができるコンディションと言える。ただ、向かい風の時は思ったほどスタートが届かないという状態が発生する可能性もあり、この状態なら水面はカマシ向きとなるだろう。