【津プレミアムGIマスターズチャンピオン・カウントダウンコラム「ワシらが主役だ!(4−1)」=江口晃生(群馬・54期)】「今年はチャンスだと思っている。しっかり勝っておきたい」――。口調こそ理論派のベテランらしく静かで落ち着いている。しかし、言葉に込められた力強さは今大会への気迫があふれ出ていた。

 昨年11月にからつで優勝すると、続く津で優出3着。その後も蒲郡V→桐生2着→からつV→多摩川V→桐生GⅠ関東地区選手権V→下関2着…。さらに直前の尼崎V。約半年にわたるV&優出ラッシュを展開している。今大会の出場メンバーではもちろん、ボート界でもトップ級の勢いだ。

 もちろん「リズムはいいよね。ペラ調整でしっかり合わせることができているからね。出力低減エンジンの調整をつかんできたかなという感触はある」と納得の状態だ。もともと調整力には定評があるベテラン。ここにきて、その巧腕にさらに磨きがかかってきた。

 3月のSGクラシックでは予選敗退となったが、敗因も分かっている。

「季節の変わり目、海水ということを考え、いつもとは違う調整をしたんだけどこれが失敗だった。5日目にいつもの調整をしてみたら上向いた」

 予選4日間は①⑤⑥⑤⑥④と苦しんだが、調整の方向性を変えた5日目は②①。「着は相手関係もあるし、うのみにはできない。ただ、やっぱり自分のいつもの調整で良かったんだな、ということだよね。津は去年の12月に優出している。その時のイメージで調整するよ」と苦笑した。あらためて今まで取り組んできた方向性が間違っていなかったことを確認する一節となった。

 選考勝率7・56もトップで初日ドリーム戦1号艇でマスターズ2Vに向けた戦いがスタートする。

「マスターズだからクセ者が揃っているし、どうなるか分からない。でも、せっかくドリーム戦を1号艇で戦えるんだから、これをしっかり生かしたい。期待もされているだろうしね」と気合も高まる。

 そして戦略も「マスターズはなかなか内に入れてもらえないし、昨年は外から行く練習もした。でも今回は自分のレーススタイルで行く」と一つでも内のコースにこだわるつもりだ。

 次回から出場年齢が48歳以上から45歳以上に引き下げられ、王者・松井繁ら強豪が参戦することも意識している。「来年からすごいメンバーになる。そういう意味でも今年がチャンスでしょ」。狙うは“優勝”という結果だけだ。

☆えぐち・あきお=1965年2月11日生まれ。群馬支部54期生。84年5月に桐生でデビュー。86年7月に福岡で初優勝。通算84V。GⅠは2013年のマスターズCを制するなど5V、SGでは98年チャレンジC、05年オーシャンカップで優勝。同期に金子良昭、島川光男ら。身長165センチ。血液型=AB。