【貴浩西山のキャビらない話】春が来た~! 皆さん、ちょっと気取ってみませんか~? ナント、4月から「貴浩西山のキャビらない話」が九州スポーツ(通称・九スポ)にも連載されることになりました! やっと九スポさんもボクのコラムの価値に気付いてくれたみたいですね。

 実はこの前、東京の錦糸町を歩いていたら全くボートを知らなそうな方に「いつも見てます」って声を掛けられたんですよ。何を見ているの?と思ったら、なんとこのコラムですって! ありがたい話です。これからもツチノコとカッパが発見されるまで連載していくので九州の皆さん、よろしくお願いしまーす!

 春といえば別れと出会いの季節。思い出しますね~。中学3年の卒業式、ボクの制服の第2ボタンを巡って女子たちがケンカし、その時にボタンを渡したのが今の僕の嫁…なーんて話したかったのですが、おふくろが「ボタンは取れやすいから」と言ってガッチリ補強したおかげで3年間一回も取れることがなかったです。頼む~、篠崎兄弟もそうであってくれ~。

 さて、ボート界でも4月は区切りの時期。半年ごとの級別審査で選手のランク(A1、A2、B1、B2)が決まるのですが、その締め切りが4月末日。勝負の懸かった選手は一走たりとも失敗ができないので、勝率を見ながら舟券を買うのもオススメです。

 そんなボクにも記憶に残る勝負レースがあります。あれはデビュー期の4月30日、つまり選手になって最初の勝負駆け。当時、ボクが7年間も片思いしていた女の子が若松ボートに応援に来てくれました。最終日1R、ここで連対(1、2着)すればB1級! カッコいい姿を見せようと気合パンパンでスタートを踏み込んだら、なんとフライング…。完走すらできず半周で帰ってきました。

 初めてボート観戦した彼女は「ボートって終わるの早いんだね」とひと言。結局、F2本目となってB2級ですよ。ガックリと肩を落として引き揚げてきたら、田頭実さんに「F3になってから悩め!」って言われてハッと目が覚めました。

 F3でGⅠを勝った男にそう言われたら前を向くしかないですからね!

 もう一つ、忘れられないのはA1級が懸かった2010年前期。期末の多摩川に出場したボクはレース中に左手首を骨折しましたが、誰にも言わずに出場。ドス黒く変色した手でレバーを握り…というか握った状態で動かなくなって3周6マークすべて全速旋回。タッチの差で3着に入り、ギリギリでA1級になれたんです。

 まさに神懸かり! このレースをあの子が見に来てくれれば良かったのに…。

 しかし今期、ボクは4月末までどんなに頑張っても出走回数がA1条件の90走に届きません。どこかで出走回数券が売っているのを見つけた方は8億円引きで買収しますので、東スポ・中京スポ・大スポ・九スポまでご一報、お願い致します。

☆西山貴浩(にしやま・たかひろ)=1987年5月15日生まれ。福岡支部の97期生。2005年11月の若松でデビュー。08年9月の若松で初優勝。通算19V。GⅠ、SGの優勝は未経験。16年の獲得賞金は2716万円。座右の銘は「笑う門には福来る」。家族は千晴夫人と1男1女。身長170センチ。血液型=A。