【ボートレース下関GI・競帝王決定戦:注目選手=海野康志郎(29=山口・95期)】「今年はマジで頑張る! SGの権利取りは大目標」

 去年はダービーも賞金王シリーズも予備回り。出場まであと少しのところまできていた点、一定の評価は可能だろうが、今年はそうもいかない事情がある。今年11月、下関でSGチャレンジカップ(CCとしては初のナイター開催)が行われる。地元の晴れ舞台を前に、燃えないわけがない。

 活躍のステージは徐々に記念戦線へとシフト。まだまだ思うような実績を残せていないのは事実だが、超プラス思考の海野の受け止め方は違う。

「優出できていないことは大きな課題だが、記念のほうがレースがしやすいし楽しい」

 現在、10期連続でA1級を維持。この言葉は決して虚勢を張っているわけでも何でもない。「もうそこ(降級)の心配はしていない。自分の中で7点をベースにして調子のいいとき、悪いときはあるけど、昔みたいにA2級と行ったり来たりみたいなことはない」とキッパリ。さらに「一般戦は全部取る。それも得点率トップで勝つというふうに意識は上げている」と続ける。

 重量級(普段は60キロ前後)の海野にとって、減量の問題は対処すべき最大のテーマだ。

「減らさないけんのは分かっているけど簡単に51キロになるわけではないし、今は56、57なら勝負にはなるかなと思っている」

 あくまで体のリズムを維持しつつ減量に取り組み、その中で活路を見いだす構えだ。

 最大の武器はヘビー級の豪快ターンで鋭く切り込む海野の代名詞、まくり差しだ。現行の出力低減型モーターでは決まりにくくなったともいわれるが「警戒されても決まるように振り出しに戻ってターンの改善をしているところ」と言う。分かっていても打てない魔球…そこを目指し日々研究中だ。

 わずか16歳でデビューした若者は今年12月にはもう30歳。夢の地元SG出場に向け、パワー全開で突き進む。