【からつボートGI全日本王者決定戦(10日開幕)展望】ボートレースからつのGⅠ「全日本王者決定戦 開設63周年記念競走」(優勝賞金900万円)が10日、スタートする。来年の児島SGボートレースクラシック(3月15日~)への切符をかけた争いになるのはもちろんだが、グランプリ出場組にとっては、ここで勢いをつけて大一番へ乗り込みたいシリーズとなる。今節はWドリーム戦出走12人中9人がグランプリ組という超豪華版。ほかにも若手の注目株が顔を揃えた。地元勢は峰竜太が不在だが、深川真二をはじめ森永淳、松江秀徳、古賀繁輝らが強力遠征陣を迎え撃つ。

 からつの周年記念といえば1月の恒例行事のようなものだったが、今回の63周年記念は12月開催。グランプリ前の最後のGⅠのため、さまざまな切り口で話題を提供してくれそうだ。

 何しろグランプリ18戦士のうち12人が集結するわけで、前哨戦的な色合いが濃くなるのは仕方あるまい。好リズムで師走を迎えたのは篠崎仁志だ。

 9月GⅠ多摩川周年V以降、各地で大暴れ。兄・元志は前節・福岡の事故の影響で欠場となったが、モーター出しに関しては兄以上の手腕だ。からつでは10月にGⅡモーターボート大賞を勝ったばかり。実績をもうひとつ積み上げて、初のGPの舞台に乗り込みたい。

 いぶし銀の活躍を披露しているのは辻栄蔵である。11月GⅡ芦屋モーターボート大賞(2)着→同月SG大村チャレンジC(2)着。惜しいところでタイトルまで手が届いていない点にはちょっぴり不満も残るが、それでも11月は高値安定。大舞台で上位に食い込んで多くの見せ場をつくってきた。好モーターの後押しがあれば注目度は自然と上がる。

 逆に今節、下降気味のリズムをアップさせていかねばならないのは山崎智也、池田浩二、太田和美あたりか。山崎はグレード戦での予選突破率がめっきり落ち、池田と太田には早くもFの足かせ。最終決戦を前にしてどんな走りを見せるかが注目される。

 GP戦士以外にも注目株はいる。持ち前の整備力に磨きがかかってきた赤岩善生、ゲリラ的に見せる思い切った握りマイが魅力の平田忠則らだ。ともに各地のGⅠで好ファイトを展開しており、甘く見ると痛い目に遭う。

 地元勢は深川真二、古賀繁輝、森永淳に加え、松江秀徳、大久保信一郎、上野真之介と少数精鋭が揃う。もちろん地元戦なら気合は倍増。いつも以上の集中力でタイトル流出阻止に挑む。特に上野はGⅠ若松周年で出色の走りを見せてくれた。記念で実績を挙げるまでもう一押し、というところまできている。地の利を生かしたパワフルな仕上げで、強力遠征陣に一泡吹かせるか。