目指せ!「ヤングダービー」U-30の咆哮

【松田祐季(29=福井・105期)】昨年の戸田プレミアムGⅠ「ヤングダービー」は“北陸のジャックナイフ”松田祐季が激戦を制してGⅠ初制覇。その背中を追うように同郷の後輩たちは成長を遂げている。近況メキメキと力をつけてきた木田峰由季(25=福井)もその一人。伸び盛りの若手の有望株が秘めた思いとは…。

 今年、確実にブレークする。そう断言しよう。来期(2016年後期)の初A1昇格も夢ではなく、着実に力をつけている。

 デビュー当初はプロの壁にぶつかり、伸び悩んでいた。B級とA2級を行ったり来たりする中で転機のレースが訪れた。

「昨年9月の芦屋初優勝です。あの時は1号艇に守田俊介さんがいた。その2節後に浜名湖ダービーで優勝されたので、そんな選手に勝てたのがうれしかった。自分の中でやれる自信がついてきましたね」

 やる気と同時にペラのバリエーションも増えた。以前は出足、乗り心地重視の調整が主だったが、ペラの新たなスタイルが確立され昨年12月にまるがめ4着→からつ4着と連続優出を果たした。

「優勝した節に行き足から伸び中心のペラができた。S落としてもしっかりターンスピードに乗ればこの足が生きてくる。いろんなパターンが増えて自分にとっては引き出しが増えたのが大きいですね」

 決してエリートコースを歩んできたわけではない。挫折を味わいながら雑草魂で一歩一歩、進んできた。励みとなり目標としている同支部の選手が成長へと導いたのだ。

「後輩の今井(美亜)には負けたくないですね。勝手にライバルだと思っている。自分がB級にいるときから今井はすげ~握っていた。それにうまいレースをしていた。勝つには握らないとダメ。レバーを落とさず、攻める気持ちを忘れないようになった」

 見た目では秘めた思いは分かりづらいが、心の中ではメラメラと闘志がみなぎっている。

「まずはA1になることを意識している。勝率を稼げば出場のチャンスが見えてくる。昨年は松田さんが優勝されたので、それ以降の選手が今井だけだと情けない。福井支部を盛り上げるためにもインパクトを残すレースをします」

 さあ、ここからは今年のヤングダービー(9月=とこなめ)の出場へ突き進むだけだ。握って攻めるレースをファンにアピールし、GⅠウイナーとなった先輩に続きたい。

☆きだ・みねゆき=1990年12月16日生まれ。福井支部の105期生。、2009年11月の三国一般戦でデビュー。初1着は09年12月の三国。15年9月芦屋一般戦で初優勝。通算1V。同期には塩田北斗、佐藤翼、磯部誠らがいる。身長163センチ。血液型=B。